007は殺しの番号|MOVIE WALKER PRESS
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007は殺しの番号

1963年6月1日公開,110分
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イギリスの小説家イアン・フレミングの“ジェームズ・ボンド・シリーズ”『ドクター・ノー』の原作をリチャード・メイバウム、ジョアンナ・ハーウッド、バーケリー・マーサーの三人が共同脚色し、「ブラック・タイツ」のテレンス・ヤングが監督したミステリー・ドラマ。撮影は「ならず者一家」テッド・ムーア、音楽はモンティ・ノーマン。出演者は「史上最大の作戦」のショーン・コネリー、TVのジャック・ロード、ウルスラ・アンドレス、ジョゼフ・ワイズマンなど。製作は「土曜の夜と日曜の朝」のハリー・サルツマン、アルバート・ブロッコリの二人。後に「007 ドクター・ノオ」に改題。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

ある昼下り、英国秘密情報部支局長が何者かに射殺された。彼の任務は、ケープカナベラル基地から発射されるロケットの弾道を狂わす電波発信地を突きとめることだった。ロンドン本部は事件を重視、直ちに背後関係追及のため007ことジェームズ・ボンド機密員(ショーン・コネリー)を現地へ派遣した。任務は支局長の足取りを洗うことだ。支局長は最近魚に興味を抱き連日島っ子のクオレルと沖へ出ていたそうだ。が、支局長の魚釣りは見せかけで、実はボーキサイド開発中の中国人ノー博士(ジョゼフ・ワイズマン)所有のラブ島を探索していた事実が判明、事態は悪化した。二十四時間後に月ロケット発射の急報にクオレルを道案内に立てたボンドは、闇を縫ってラブ島上陸を敢行した。その後、二人はエキゾチックなアメリカ娘ハニー(ウルスラ・アンドレス)に出会った。万事休す、火を噴くマシン・ガンに舟はやられた。クオレルは殺され、ボンドとハニーは捕えられた。研究所に連れ込まれた二人は、ノー博士から事件の全貌を知らされるが死の宣告を受けたボンドには手も足も出なかった。絶体絶命のピンチ。が、ボンドは換気口から電波管制室にもぐり込み、やにわに管制区へ登り電子炉操作桿を回した。ボンドの一撃にノー博士はプール型原子炉の泡と消え去っていった。危険をつげる警報に逃げまどう手下たちを尻目に、ハニーの手を取ってボートに乗り込んだボンドは沖へ向った。危機一発、島は一瞬の大音響と共に一面の火の海と化した。

作品データ

原題
Dr.No
製作年
1962年
製作国
イギリス
配給
UA
上映時間
110分

[c]キネマ旬報社

動画配信

映画レビュー

3.7
  • rikoriko2255

    フジ三太郎

    3.0
    2020/1/15

    冒頭の3人の暗殺者は原作通りみたい。 竜のエピソードはどうなのやら。 第一作だけど、シリーズ化の意気込みはひしひし。 劇伴はずっと、モンティ・ノーマンの「テンテケテッテ・テテテ」で、気分は乗ってくる。 ボンドガール第一弾の、ウルスラ・アンドレス登場まで大分間があるが、それまで敵の女スパイもいて飽きない。いい出来なんだが、テレ東で、これの後にすぐ「ロシアより愛をこめて」を見ると、印象が全くなくなる。どんな筋だっけ?な映画。 秘密兵器はまだなし。拳銃をベレッタからワルサーに替えるだけ。 敵のアジトの中で、狭い空間を抜ける場面が、「ダイ・ハード」でもブルース・ウィリスがオマージュ。 お楽しみは次作「ロシアより愛をこめて」からだ。

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  • rikoriko2255

    やまひで

    3.0
    2008/10/19

     昔ある観た時代劇の一場面にこんなシーンがあった。夜に押し込み強盗に入ろうとする盗賊団の一味。その中の一人が懐から水の入った容器を取り出し、雨戸や襖のみぞにその水を流し込み、雨戸や襖の開ける時の音を出来るだけ立たなくする手を使っていたシーンである。それを見て、ああ、なるほど、生活の知恵を使ったこんな簡単で有効な手があるものなのだと、その時感心したものであった。  今回久しぶりにJ.ボンド・シリーズの第一弾「Dr.No」を観て、そんな生活の知恵に根ざしたような場面に幾つか気付いて、少々時代遅れの感もするものの、逆にまた技術の目新しさに観客の目を惑わそうとしない誠実なストーリーの展開に出会い、好感が持てた。  映画の序盤、ボンドがカジノで賭博の遊びをやり、その後Mに呼ばれて本部に出かけて、ようやくロンドンにある自宅に戻ってくる。入口で電燈を点け、ある一室に入ろうとするところ、別の部屋から物音がする。ボンドはすかさず電燈を消すと、何をしたか。自分の靴を脱いだのである。そうやって忍び足でその物音がしてきた部屋に近づいてその部屋の扉を、片ひざを立てて、ばっと開けると、そこには先ほどカジノで知り合った魅力的な女性がYシャツ姿で室内ゴルフをしていたというシーンである。  次のシーン。ボンドがジャマイカの首都のキングストンのホテルに着いてからの場面である。ホテルの部屋に入ると、ボンドは内側から部屋の鍵を掛ける。すると、持ってきたアタッシュ・ケースの留金の部分にパウダーか何かの粉を振りかける。後で、部屋に入った者がそのケースを開けようとしたかしなかったかをチェックするためである。ボンドは更に自分の髪の毛を一本抜いて、それを洋服タンスの白い開き扉のかけ合わさる所に自分の唾で濡らしてこれを貼り付けるのである。これも、部屋に侵入した者が洋服タンスを開けたか見るためである。  乾いたら付けた髪の毛が落ちはしないかと疑問に持ちながらも、このような生活の知恵に根ざした小細工に、逆にスーパー・ヒーロー・ボンドに親近感が生まれた。本作では所謂特別仕様の「ボンド・カー」なる物も登場しない。また、例の新兵器開発係りのQも登場しない。ある武器担当係がボンドに新しいドイツ製拳銃(ヴァルター・ペーペーカー Polizeipistole Kriminal)を持ってくるという場面があるだけである。こんなことも、余計に上述の新鮮な感じを強めてくれた。ボンドが自らの身体性とスパイとしての経験から獲得した生活の知恵とで、狂気の科学者の政界制覇の陰謀に立ち向かう、その、ある種の真摯な姿に共感さえ覚えた。  こうして始まったストーリーも、ボンド・ガール第一号「ハニー」にボンドが、Dr.Noの取り仕切る島で出会い、Dr.No側に捕えられたところから急速にその現実感を失う。この、未来主義的な子供じみた要塞ごっこは、正に東西冷戦の中で生まれたスパイごっこのアダ花であり、また、原子爆弾という倫理性を持たない科学の発展の「奇形児」の自己主張の世界なのでもある。  これに、更にこの作品の配給された1962年という歴史の時間軸を入れてみると、どうなるか。1962年と言えば、所謂「キューバ危機」の年で、これは、この年の10月15日から13日間続いた、米ソ間の冷戦が頂点に達して核戦争の危機を招いた国際政治上の事件である。その危機の舞台がジャマイカ島の北にあるキューバだったのである。これに、映画にも出てくるアメリカの月着陸計画、即ち「アポロ計画」の側面が加わる。これは、米ソの宇宙空間の軍事的覇権を争うという側面をも持ちながら、当時のアメリカ大統領ケネディーが1961年以来強力に推進していた計画である。  そしてもう一点。カリブ海地域には珍しい中国系の要素がストーリーにどうして入ってくるか。恐らくはこの頃国際政治的にも強くなっていた中国の「第三」世界の旗手としての役割の増大が、第二次世界大戦後急速にその政治的力量を失いつつあった大英帝国の目から見て、不愉快であったからか。この作品が「英国製」であるということから、そこまで読むのは僕のものの本の読みすぎであろうか?

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