あらし(1934):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
あらし(1934)
あらし(1934)
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あらし(1934)

1934年公開、サスペンス・ミステリー
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はじめて本邦に輸入されたポーランド映画で、原作脚色はマリア・モロゼヴィッツとスツェプコウスキーが協力し、監督にはユリウス・ガルダンが任じ、撮影はZ・ニアドウスキーが、音楽はヘンリク・ヴァルスとフリッツ・ヴェンナイスが共同担当している。主要俳優はヤーツィア・アントルゼイウスカ、ドビエスラウ・ダミエキ、イレーネ・アイヒラーである。但し輸入されたものはドイツ語をダビングしたものである。

ストーリー

ポーランドの或都会の裁判所の被告席に立って今、法の裁きを受けようとしている若い女があった。名はハンナ、嬰児殺しの罪で起訴されたものである。遂にこのか弱き女の上に死刑の宣告が与えられた。斯うした一人の生涯にとって恐るべき一線を画する重大な出来事にも眉一つ動かさぬ裁判所の人たちの間に立交って若い女弁護士クリステルは女性としての本能から秘かに此の死刑囚の無罪を信じて彼女を救おうと決心した。翌朝遠地へ工事の監督に出掛ける夫を送り出したクリステルはその足で刑務所へ赴き、その女囚から事の真相を聞き取った。ハンナは身寄りの無い寂しい女だった。永らく造幣局に勤めていたが或時団体旅行に出掛けた折、或男と恋をし、定石通りその男の子供を宿したまま捨てられてしまった。造幣局は首になり、何処でも傭って貰えぬので都を捨てて村から村へ彷徨い歩く中、或農家の納屋の中で一子を産み落した。途方に暮れたハンナは自殺を決意し、河中に飛込もうとした時、過って嬰児を先に落してしまった。それを垣間見ていた農夫が彼女が故意に殺したと訴え出たのであった。是を聞いたクリステルは敢然自ら弁護に立って熱弁を振い見事彼女を無罪にし、我家へ連れ帰って優しく慰めるのだった。その夜クリステルの夫ハンスが仕事先から帰って来てハンナと顔を見合わせた時、ハンナの口から出たのは「妾を欺したのはあの男だ」と言う言葉だった。クリステルの驚き!それにも増してハンスは悩み苦しんだ。懊悩の果彼は遂に自殺を企てた。重傷を負って床に臥す彼の口から洩れる言葉は愛する妻クリステルを呼ぶ声だった。これを聞いたハンナは二人の幸福を傷付ける事を怖れ、暗雲低く垂れたポーランドの空の下をあても無い悲しき旅路に出て行くのであった。

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作品データ

原題
KREUZWEG EINER LIEBE
製作年
1934年
製作国
ポーランド
配給
千鳥興業
初公開日
1934年
製作会社
ブローク・ムツア
ジャンル
サスペンス・ミステリー


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