地中海:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
地中海
地中海
-

地中海

1936年公開、80分
0
-
  • 上映館を探す
評価、レビューが削除されますがよろしいでしょうか?

「レ・ミゼラブル」「ゴルダー」のアリ・ボール、「熱風」「沐浴」のマルセル・シャンタル、「ジェニイの家」「若き日」のリゼット・ランヴァン、「火の夜」「巴里祭」のジョルジュ・リゴーの四スターが主演する映画で、サイレント時代の「氷島の漁夫」及びトーキーの「巴里の歌」で我が国に紹介されたジャック・ド・バロンセリが原作・監督したもの。脚色にはアンドレ・ビュークレとT・H・ロベールが協力し、台詞は「楽聖ベートーヴェン」「旅順港」のスティーヴ・パッスールが執筆した。音楽は「レ・ミゼラブル」「最後の戦闘機」のアルテュール・オネガーが作曲し、「泣き笑い千法札」に出演したレイ・ヴァンチュラが編曲・指揮し、撮影には「家なき児(1935)」のジャン・バシュレが当たっている。助演者は「旅順港」「黒い瞳(1935)」のジャン・マックスを初め、「夜の空を行く」のポール・アザイス、「キイン」その他サイレント時代に名高かったイワン・モジューヒン等。

ストーリー

欧州列国争覇の波高い地中海で、武器密輸者のサラックは歌手テレーズを囮に使っていた。この泥沼から抜け出そうとする彼女を脅迫して、今夜も彼女の歌う劇場で大統領の襲撃があり、テロリストは一網打尽となりテレーズもその中にあった。一同が銃殺に処せられている時、彼女の無罪を証して助け出したのはサラックだった。けれども彼女は彼の手から夢中で逃れ、同じホテルに宿泊していたフランスの若い海軍士官エルヴェ・ド・ケルゴエット中尉に救われた。翌日、インドへ赴任する彼はテレーズを途中まで伴って別れ、それから二年の月日が流れた。ド・ケルゴエット中尉はチュニスの軍港へ転任し、兵学校時代の教官ロベール・カルティエの部下として潜航艇「ネプチューン」号に乗り込む事となった。所が意外にもカルティエの妻は、二年前に助けてやったテレーズだった。彼女は中尉を呼び出して前身を夫に知らせないでくれと頼んだ。二人の語り合っているのを通り掛かりに見た中尉の許婚クレールは、何の邪気もなくこの事をカルティエに話した。こうしてカルティエは疑惑に、テレーズと中尉は彼に対して秘密を守る事に苦しんだ。其の時サラックがこの町に現れた。しかし軍港当局の目が光っているため、フランスの領界から脱出する事ができない。サラックはテレーズを脅迫してカルティエに見逃して貰おうとした。彼女が是を拒絶すれば、彼女の前身を新聞に発表するというのだ。心痛したテレーズはド・ケルゴエットと相談した上、主人の許しを得たとサラックを欺いた。それを信じたサラックの「ニイチェヴォ」号は静かに海へ滑り出して行った。二時間の後、司令部の飛行機から通知を受けたカルティエは、直ちに出動して同船を検閲すると、果たして密輸の武器が発見された。サラックはテレーズの前身を明かすと脅迫したが、無論カルティエは断固として軍港へ引き帰せと命じた。サラックは不意に隠してあった砲門を開いて攻撃した。直ちに応戦した潜航艇は忽ち相手を撃沈したが、艇も一部に損傷を受けて五十メートルの海底に沈んだ。幾時間かが経って乗組員たちは刻々希薄となる空気に喘いていたが、救助船の助力は効を奏し、乗組員は一人ずつ救われた。残ったのはカルティエとド・ケルゴエットの二人だった。中尉はテレーズと自分の間に何事もない事を告白したが、カルティエは容易に信じようとしなかった。一人が助かろうと思えば、一人が後に残って死ななければならぬ。二人は向かい合ったまま苦しい呼吸をして上へ行こうとしなかった。その時潜水夫が遂に艇の所まで下りて来た。そして二人は遂に助けられた。救助船の上にはテレーズとクレールが待っていた。カルティエは妻の腕に抱かれながら、もはやすべての疑惑も妻の悲劇もこれで終わったと思うのであった。

映画レビュー

まだレビューはありません。
レビューを投稿してみませんか?

コラム・インタビュー・イベント

ニュース

作品データ

原題
Nitchevo/L'Agonie de Sous-Marin
製作年
1936年
製作国
フランス
配給
東和商事
初公開日
1936年
上映時間
80分
製作会社
メガ


[c]キネマ旬報社