白鳥の舞:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
白鳥の舞
白鳥の舞
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白鳥の舞

1935年公開
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「会議は踊る」「ブロンドの夢」と同じくリリアン・ハーヴェイとヴィリー・フリッチが主演する映画で、「勝利者」「ブロンドの夢」のパウル・マーティンが監督に当たったもの。シナリオもマーティンが「F・P一号応答なし」のクルト・J・ブラウン、ワルター・ズッパーと協力して書卸した。ハーヴェイ、フリッチュと共に「ジャンダーク」「ヴェニスの船唄」のウィリー・ヴィルゲルが出演するほか、ゲルハルト・ビーネルト、ゲルトルード・ヴィーレ等が助演している。キャメラは「紅天夢」「あかつき」のフリッツ・アルノ・ワグナーで、音楽は「旅愁」のクルト・シュレーダーが担当した。

ストーリー

フィンランドが帝政ロシアの圧制に苦しんでいた頃、若い青年達は祖国の自由に一身を投げ出していた。秘密結社の集会が今夜も広い野の風車小屋で開かれている。そこへコザックの一隊が襲った。同志の一人は密書を持って逃げた。彼がコザックの弾にたおれると他の同志がそれを奪って進んだ。かくて同志は次々とたおれ、最後に密書を持ったコリンスは、とある一軒の別荘へ身を潜めた。その家では当時ロシア随一の舞踏手と呼ばれたマリナ・フェヨドロウナが星の様に並んだ将校達に囲まれて華やかな宴を開いていた。彼女を愛するロシアのフィンランド総督が彼の別荘を貸し与えたのだった。踊りを済ますと彼女は着替えの為に部屋へ戻った。そしてそこに傷つき忍んでいるコリンスを見た。「フィンランド人だ」と彼女は悟ったが、祖国への情熱に燃えた瞳に打たれたのであろう。コサックを偽って帰すと、彼女は馴れぬ手付きで手当までしてやった。マリナはこの青年を探索の厳しい街へ出すのに忍びなかった。こうして若いフィンランドの志士とロシアの舞姫とは奇しくも運命の愛情に結びつけられたのだった。マリナは別荘を出て彼と生活を共にした。けれどもコリンスは同志と誓った使命を忘れてはいなかったのである。マリナが久し振りで公演する劇場でフィンランド独立の計画は着々と進められていた。それを知ったマリナはコリンスが鎖に引かれてシベリアへ流される幻に怖えた。恋に心を奪われた女心からただ愛する人を救いたい一心でマリナは総督に急を告げた。同志の計画は失敗し、そして彼女の予期に反してコリンスもシベリア追放を宣告された。再び総督の愛を入れるのを条件にマリナはコリンスの釈放を許された。国外追放に処せられたコリンスは「あの劇場の夜に裏切者が出なかったらフィンランドの独立は決行されていたのだ」と語り、追いすがるマリナを振り切って淋しく祖国を離れて行った。その夜総督は別荘の静かな部屋で椅子によってまどろんでいるマリナの手に口づけをして愕然とした。今は永遠に許されぬコリンスへの断ち難い思いを抱いて、ロシアの美しい舞姫は毒をあおって息絶えていた。

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作品データ

原題
Schwarz Roses
製作年
1935年
製作国
ドイツ
配給
東和商事
初公開日
1935年
製作会社
ウーファ


[c]キネマ旬報社