ホー・フイトン
K強
香港映画の中でも珍しい青少年問題を描いたストリートギャングもの。実際のストリート・ギャングたちの中からキャストを探し出して起用。また香港では珍しい同時録音によるオール・ロケーションというドキュメンタリー・タッチの作品。監督はテレビ出身のラウ・アモンで、これが処女作にあたる。少年たちのひとりを演じたツェ・ワイ・キットは、この作品を見た山本政志監督に気に入られ、89年の「てなもんやコネクション」の主役に抜擢された。
香港のくたびれた街並みの中、ゆすりや盗みに明け暮れ、ヤクザ社会に憧れる若者たち。K強(ホー・フイトン)と弟のリトルK(ウォン・チョンチュン)も、そんな“ギャングス”の一員だった。ある日、グループ間の対立抗争で死者が出たことから、K強らの逃避行が始まる。ヤクザの親分に裏切られ、女友達も売られ、友人は殺され、組織からも追い詰められていくK強。助けをかって出た父親も死んでしまう。
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