鬼龍院花子の生涯|MOVIE WALKER PRESS
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鬼龍院花子の生涯

1982年6月5日公開,146分

大正から昭和にかけての二つの時代に生きた土佐の侠客・鬼龍院政五郎とその周辺の女たちのドラマチックな生き方を描く。原作は高知出身の直木賞作家・宮尾登美子の同名小説。脚本は「影の軍団 服部半蔵」の高田宏治、監督は「雲霧仁左衛門」の五社英雄、撮影は「野菊の墓」の森田富士郎がそれぞれ担当。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

大正十年、松恵は土佐の大親分・鬼龍院政五郎の養女となった。松恵は政五郎の身の回りの世話を命じられたが、鬼龍院家では主屋には正妻の歌が住み、向い家には妾の牡丹と笑若が囲われており、その向い家に政五郎が出向く日を妾二人に伝えるのも幼い松恵の役割りだった。ある日、政五郎は女や子分たちを連れ土佐名物の闘犬を見に行った。そこで漁師の兼松と赤岡の顔役・末長の間で悶着がおき、政五郎の仲介でその場はおさまったが、末長は兼松の持ち犬を殺すという卑劣な手段に出た。怒った政五郎は赤岡に出むいたが、末長は姿を隠していた。帰りぎわ、政五郎は末長の女房・秋尾の料亭からつるという娘を掠奪した。この確執に、大財閥の須田が仲裁に入り一応の決着はついたが、以来、政五郎と末長は事あるごとに対立することになる。これが機縁となってつるは政五郎の妾となり、鬼篭院の女たちと対立しながら翌年、女児を産んだ。花子と名付けられ、政五郎はその子を溺愛した。勉強を続けていた松恵は、女学校に入学した。昭和九年、土佐電鉄はストライキの嵐にみまわれ、筆頭株主である須田の命を受けた政五郎はスト潰しに出かけた。そこで政五郎はストを支援に来ていた高校教師の田辺恭介と知り合い意気投合、須田から絶縁されるハメに陥った。だが政五郎は意気軒昂、田辺を十六歳になった花子の婿にし一家を継がせようとしたが、獄中に面接に行かされた小学校の先生となっていた松恵と田辺はお互いに愛し合うようになっていた。やがて出所した田辺は政五郎に松恵との結婚を申し出、怒った政五郎は田辺の小指を斬り落とさせた。そして数日後、政五郎に挑みかかられた松恵は死を決して抵抗、転勤を申し出、鬼龍院家を出た。十六歳になった花子と神戸・山根組との縁談が整い、その宴の席で歌が倒れた。腸チフスだった。松恵の必死の看病も虚しく歌は死んだ。松恵は再び家を出、大阪で労働運動に身を投じている田辺と一緒に生活するようになった。だが、花子の婚約者がヤクザ同士の喧嘩で殺されたのを機に、田辺と共に鬼龍院家に戻った。南京陥落の提灯行列がにぎわう夜、花子が末長に拉致され、これを救おうとした田辺も殺された。政五郎が末長に殴り込みをかけたのはその夜のうちだった。それから二年後、政五郎は獄中で死んだ。そして数年後、松恵がやっと消息を知り大阪のうらぶれた娼家に花子を訪ねた時、花子も帰らぬ人となっていた。

作品データ

製作年
1982年
製作国
日本
配給
東映
上映時間
146分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.4
  • フルタカチホ

    4
    2013/7/16

    最初にこの映画を見たのが学生だった頃で、最近スカパー!で久しぶりに見ると当時は今ひとつ理解出来なかった大人の事情なんかも見えてくるもんですね(特に鬼政が御前様に謝罪に行く途中、下駄を脱いで走り出すシーンなどなど)。
    花子を演じた高杉かほりは、玉井敬友が主催する「シアタースキャンダル」の看板女優であり、いわゆるアングラの世界では名の売れた存在だったが、商業映画への出演は「鬼龍院花子の生涯」だけ、商業演劇にも進出しなかったため、今では忘れられ、語られる事も無い。この作品のような「大作」の主要キャストに、彼女の様な立ち位置の女優を持ってきた事で、「花子」の性格付けに何か意味を持たせているのかもしれないのだが、残念ながら私には推し量ることも出来ない。

    ところでストーリーの説明で間違いがあります。
    「大阪のうらぶれた娼家に花子を訪ねた時」
    とありますが、この映画で花子が亡くなった場所として登場する橋本遊郭は京都府です。

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  • まさやん

    4
    2010/6/9

    「なめたらあかんぜよ」と言うセリフは有名になりましたが、公開当時映画館で見たことを今思い出しすと、その有名なセリフのことはさっぱり忘れていて、仲代達也の圧倒的な演技力と、岩下志麻、夏目雅子の美しさが心に残っていました。それを見るだけでも価値のある映画ではないかと思います。

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    ネタバレあり
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  • のら(ぶんちょう)

    3
    2008/12/19

    以前ゴールデンで放送されていたことがありましたが、
    その時はちらっとしか見られなかったので再度見てみました。

    夏目雅子は美しく楚々とした女性でありながらも有名な
    「なめたらいかんぜよ」の啖呵切るところはカッコよかったですね~~。

    そして下の方も書かれていますが、
    タイトルの「花子」は夏目さんじゃないんですよ。
    これはびっくりでした。

    夏目雅子演じる松恵の養父はヤクザの鬼政(仲代達矢)
    養母は岩下志麻ですが、二人とも怖い!

    まるでナイフのようにギラギラとがって、「人生は戦いだ」と
    土佐の闘犬を見せて、幼い松恵に教え込む鬼政。
    無茶苦茶なところもあるけれど、
    自分の身内は命がけで守るという男を仲代が熱演。

    妻の歌はどんと構えていながらも、ほかに女性を囲う夫に寂しさをにじませる
    シーンもあって、こちらも好演でした。

    しかしこんな怖い親の養子になるって大変だな~。よくぐれなかったな~松恵。。

    ちょっとした役で、益岡徹や役所広司もでてるし、少女時代の松恵は
    仙道敦子がやってますが、彼女の演技も必見です!

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