谷啓
川本純平
全国を股にかけてだましまくる四人のサギ師と、彼らを追う元刑事との知恵比べを描く喜劇。原作は山本一夫の『狸の代紋』。脚本は小林一邦、西川常三郎、「涙のあとから微笑みが」の田波靖男、監督は脚本も執筆している「ゴジラ対メカゴジラ」の福田純、撮影も同作の逢沢譲がそれぞれ担当。
やっと刑期満了した川本純平に、長島刑事からの差し入れの半袖シャツが手渡された。長島は今度定年退職し、警備会社へ天下ることになっていた。詐欺係刑事と詐欺師という関係を越えた奇妙な友情が、二人の間に生まれていた。四年ぶりに我が家へ帰ってみると、かつての棲み家は跡もなく、新しいマンションの工事が着々と進行中であった。いきり立つ純平に大家は、文句は「総合商社角紅」に言え、と開き直った。その角紅東京本社ビル前では、山口県防府市の青年男女からなるデモ隊が、開発部の赤沢に鋭く詰め寄っていた。だが、ガードマンの登場で若者たちは追払われてしまった。そこで純平は、かつて熱愛した初江との間にできた娘・信子と会った。勿論、二人は知る由もない。純平の怒りは、角紅、そして赤沢へと向けられた。純平は訪ねたアパートで結婚詐欺師の松本譲二と会った。ところが、この譲二、いつものように女をだましてホテルへ連れ込むが、逆にぬいぐるみをはがされ、車まで盗まれてしまった。この女こそ、女狐と異名を取る村崎銀子という詐欺師だった。「結婚詐欺なんて最低だ!」と意気まく純平は、国会議員に変装して赤沢に接近、得意の話術を駆使して金を巻き上げた。大阪へ行った純平は、譲二と、幼ななじみで今は“オシャカプロダクション”を経営している石山権太郎の三人で、競馬場へ出かけた。そして、金のありそうな欲求不満風の有閑マダムに近づき、まんまと預金通帳ごとだまし取った。この仕事の後、純平は権太郎と譲二に次の仕事の話をした。それは、以前、角紅ビルの前で信子に貰ったビラからヒントを得たのだが、防府にある静かな漁師町に角紅がコンビナートを建設しようとしており、そこへ国会議員として乗り込み、賄賂を取ってやろう、というのである。丁度権太郎が自主民政党の山田代議士と瓜ふたつなのだ。やがて、権太郎が代議士に、純平がその秘書に、譲二が新聞記者に扮し、さらに銀子も加わることになり、狸三匹、女狐一匹が防府へと乗り込んだ……。
川本純平
松本議二
石山権太郎
長島仙吉
村崎銀子
川本初江
川本信子
赤沢部長
溶子
百合
横山
村上町長
柴由助役
大黒
兵頭
岩本
青木
船頭
ゆかり
大家
囚人
囚人
網元
不動産屋の主人
監督、脚本
脚本
脚本、助監督
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
スチール
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