吉幾三
中里弥三郎
津軽をあとに東京に出た二人の青年の懸命に生きる姿を描くもので、昭和五十三年夏に公開された「俺は田舎のプレスリー」に続くプレスリー・シリーズ第二弾。山田洋次の原案をもとに、脚本は「俺たちの時」の高橋正圀、監督は、「喜劇 社長さん」以来七年ぶりの大嶺俊順、撮影は「鬼畜」の川又昂がそれぞれ担当している。
21世紀のスーパー・スターを夢みて、津軽をあとに上京した中里弥三郎は、ある民謡酒場でギターを抱えてアルバイトをやっていた。福士幸介も津軽をあとにして、東京の小さな駅で駅員をしていた。幸介には、東京の空気が肌に合わなかったが、毎日、改札口を通る裕美が好きで、故郷に帰る決心がつかない。もっとも、幸介はまだ彼女と一言も交わしたことがなかったのだが。ある日、幸介は不正乗車の客をつかまえた。見れば故郷で同級だった弥三郎である。これがキッカケで、幸介の下宿に弥三郎が転がり込んできた。ある夕方、幸介に絶好のチャンスがめぐってきた。裕美が自転車の故障で困っていたのだ。必死に修理した幸介、これが縁で、次の休みに一緒にサイクリングに行く約束をした。一方、弥三郎も、得意のノドを生かして上野のスナックでアルバイトを始めた。その店のママ・マキは弥三郎をかわいがり、弥三郎もマキの美貌にまいっていた。約束の休みの日、幸介は裕美とサイクリングに、弥三郎はマキとドライブに行った。しかし、弥三郎は車の中で、マキがモト男だったことを聞いて、ほうほうの態で家に逃げ帰るのだった。幸介の方も、初めのデートから、たいした進展もなく、ふがいなさに自己嫌悪におちいっていた。しかし、幸介は、なかばヤケクソで裕美に必死にプロポーズをすると、彼女は、うれしそうに頷くのであった。クリスマスの夜、幸介、裕美は、民謡酒場でめでたく結婚式を上げるのだった。しかし、丁度その頃、弥三郎はといえば、サンタのサンドイッチマン姿でアルパイト中、マキに見つかり、あわてて逃げ回っていた。
監督
脚本
原案
詩と語り
製作
撮影
美術
編集
照明
録音
録音
助監督
進行
スチール
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