梅宮辰夫
矢代哲男
汚職の責めをかぶり自殺した父の復讐のために、頭脳的な詐欺や、情報入手に女たちを利用しながら、父を陥れた男たちに復讐していくバイタリティ溢れた男を描く。脚本は「不良番長 骨までしゃぶれ」の松本功、監督は「新網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義」の降旗康男、撮影は「やくざと抗争」の稲田喜一がそれぞれ担当。
矢代は一見してエリートビジネスマン風であるが職業は不明である。そして、かなりのプレイボーイで彼に貢いでいる女性だけでも、バーのマダム弘子、ホステスのユキと真弓、土建屋社長夫人の康代、やくざ椿一家の女親分お銀など数知れない。矢代は今日も大和田建設の社長秘書井口圭子を追いかけて彼女のマンションに潜入、得意のテクニックで参らせてしまった。そして、矢代は圭子に大和田建設の(秘)情報を流すように手馴ずけるのに成功。矢代は、十年前に大和田建設に勤務していた父が、今では社長の椅子に収まっている大谷甲太郎と建設省局長の小坂井との間の贈収賄事件の罪を被って自殺したことから、秘かに復讐を企んでいたのである。ある日、ついに圭子から大和田建設の不正造成工事のコピーを入手した。早速、矢代は大谷を脅迫し、一千万円のカツ上げに成功した。数日後、矢代は再び圭子からの通報で、大谷が架空工事のため内緒で、一億円の手形を振り出した事実を掴んだ。矢代は、手形割引業を営む友人の伊吹勝に相談すると直ちに行動に移した。矢代は弘子を使って、大谷が利用している金融会社々長に接近する一方、椿一家を総動員して架空の倉庫会社をデッチ上げ、まんまと一億円の手形をせしめてしまった。しかし、このまま黙っている大谷ではなく、大谷もやくざを使って巻き返しに出た。そして、大谷の罠にはまった、矢代、伊吹、圭子は捕われてしまった。そして三人は、リンチを受けたうえ、岸壁から海へ突き落されてしまった……。だが、その奇跡的な生命力によって、矢代だけは九死に一生を得た。数日後、高層ホテルの一室で、大谷が今では代議士になっている小坂井に政治献金を手渡そうとしている現場を、矢代が襲った。応援を求めようもなく興奮した大谷は椅子を振り上げて矢代に突進したが、彼にかわされたために、バランスをくずし、窓外に墜落していった……。
矢代哲男
伊吹勝
田宮譲二
石田警部補
井口圭子
弘子
亜矢
椿のお銀
真弓
大谷甲太郎
千石政之助
小坂井栄策
岩村
枝川
康代
秋山恭輔
川村
杉崎
立石
高木刑事
小柴
原
勇
サブ
子分
みどり
大和田建設社員
運転手
美女
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