黒川弥太郎
森尾重四郎
傍題にある如く「砂絵呪縛(1953)」の続篇で、スタッフ、キャストとも前篇と同じ顔ぶれである。
露路は重四郎と共に古寺の一室で同居生活を続けているが、すべてを諦めきった彼女の姿は、重四郎の心を妙に焦々させた。孫之丞を慕うお酉は、彼の気持が露路奪還の一途にあるのを知ると、柳影組と重四郎を短銃で威嚇して、霧路を伴い帰り手厚く世話をした。二人の入浴姿を覗見するのは色餓鬼の藤兵衛である。折から土蔵に監禁されていた黒阿彌は、同居の面作り松五郎を殺して脱走した来たので、柳沢吉保は一刻も早く小判改鋳をするため、将軍綱吉の内意書をもたせて柳影組を大阪へやる事にした。大阪城に保存されている竹流し金を改鋳に使うためである。千浪は男装して目明しの米吉と共にその跡を追い、その後から重四郎も行く。しかし勘蔵はお酉を誘って竹流し金の一人占めを企む。折しも孫之丞は露路を求めてやって来たが、お酉は短銃で勘蔵を脅して孫之丞の命を救った。千浪が道中で巧みに奪った密書は、更に重四郎に奪われるが、重四郎はこの密書が白紙だと知ると、勘蔵のやり方を怒って今後天目党の味方をする事を誓った。だが露路は黒阿彌の為に生命の危険にさらされていた。お酉は孫之丞に同情して、遂に露路のいる所へ孫之丞を案内する気持になった。露路は黒阿彌に射殺され、孫之丞も危機に陥るが、現れた重四郎に救われた。
森尾重四郎
お酉
藤浦孫之亟
露路
千浪
間部詮房
柳沢吉保
萩原重秀
鳥羽勘蔵
黒阿彌
藤兵衛
神明絞吉
六本木光吉
関仙兵衛
松五郎
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