果しなき欲望:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
果しなき欲望
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果しなき欲望

1958年11月19日公開、49分、コメディ/サスペンス・ミステリー
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時価六千万円のモルヒネ発掘をめぐって、欲につかれた人間の醜さ滑稽さを描くスリラー・コメディ。オール読物所載藤原審爾の原作を、鈴木敏郎・今村昌平が脚色、「西銀座駅前」の今村昌平が監督した。撮影は「赤い波止場」の姫田真佐久。「続 夫婦百景」の長門裕之・中原早苗に、渡辺美佐子・西村晃・小沢昭一らが出演。

ストーリー

八月十五日--ある駅のホーム。胸に星のマークをつけた五人の奇妙な人物が集った。彼等の目的は終戦の日に、軍医橋本中尉がこの町の防空壕に埋めたモルヒネを掘出すことだった。橋本中尉は十年後に従卒三人と山分すると約束していた。集った五人。すでに死亡した橋本中尉の妹と称する妖艶な女志麻。薬剤師の中田、大阪の中華料理店主大沼、ヤクザの山本、それに中学校の教師と名乗る沢井。それは約束より一人余計だった。目的の防空壕の場所には肉屋が建っていた。彼等は二十米離れた所の空屋を不動産会社の名目で借り、地下を防空壕まで掘ることにした。強欲な家主金造は長男悟を雇わせる条件で家を貸した。五人は工事費を作るため一たん帰郷した。抜けがけを狙う大沼は一足先に帰って沢井と組もうとしたので、中田や志麻との間が険悪になった。ところが帰阪した山本が強盗を犯したため、四人は急いで穴を掘り始めた。悟は肉屋の娘リュウ子と恋仲で、男達は二人の密会をみて刺戟され、志麻に挑んだ。男達をハネつけた志麻は一番穴を掘った者に自分をやるといった。男達は奮起して穴を掘り進める。祭りの夜、疲労困憊した男達が町内会にただ酒を飲みに行く。リュウ子と痴話喧嘩した悟は志麻に誘惑された。その時、突如山本が現れ、彼女に躍りかかった。山本は脱走してきたのだった。再開発のため彼等の家を含む商店街が後五日で壊わされることになった。山本も加わり穴掘り作業が進められる。立ち退き前夜、反目し合っていた山本と沢井が格闘し、沢井は山本を殺した。立ち退き当日、遂に穴掘りが肉屋の下に来た時、沢井はドラム缶を発見した。が、落ちて来たドラム缶の下敷きになって惨死した。志麻は何も知らない悟に一緒に逃げようとそそのかす。大雨となり商店街の取り壊し作業は順延される。その夜、中田は大沼に興信所からの調査書を読んで聞かす。橋本中尉は他殺の疑いが有り、中尉の内妻だった志麻とその情夫中田が逮捕されるも容疑不十分で釈放されたとあった。余計な一人は中田だった。中田はナイフで大沼を脅し、自分が多分な分け前を受ける様に約束させる。志麻は毒入りのビールを大沼に飲ませて殺した。毒に気づいた中田だが志麻に包丁で刺殺される。これをみた悟は急を町内に知らせた。豪雨の中を志麻はモルヒネを持って逃げた。が、警察に追いつめられ、工事中の橋の上から逆まく川に落ちて死んだ。翌朝、川におびただしい死魚が浮いて、その白い腹を初秋の陽射しにさらした。

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作品データ

原題
The Endless Desire
製作年
1958年
製作国
日本
配給
日活
初公開日
1958年11月19日
上映時間
49分
製作会社
日活
ジャンル
コメディサスペンス・ミステリー


[c]キネマ旬報社