明日を夢見て:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
明日を夢見て
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明日を夢見て

1996年2月10日公開、115分
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映画俳優のスカウトマンを装った詐欺師と人々の交流を描き、映画への夢を逆説的に語った愛と懺悔の物語。フェリーニ、デ・シーカ、ヴィスコンティら、イタリア映画の名監督たちの作品へ捧げたオマージュが全編に散りばめられている。監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレで、同作品と同じく彼が少年時代に過ごしたシリチア地方を舞台にしている。エグゼクティブ・プロデューサーは「イル・ポスティーノ」のヴィットリオ・チェッキ・ゴーリと、リータ・チェッキ・ゴーリ。撮影は「クイック&デッド」のダンテ・スピノッティ、音楽は「ニュー・シネマ・パラダイス」「みんな元気」で監督と組んでいる巨匠エンニオ・モリコーネが担当。主演は「かぼちゃ大王」のセルジョ・カステリットと、本作がデビューのテッツィアーナ・ロダート。また、レオポルド・トリエステ、ニコラ・ディ・ピント、レオ・グロッタら「ニュー・シネマ・パラダイス」の面々が顔を見せるほか、有名デザイナーのドルチェ&ガッバーナが特別出演。120人の俳優のうちプロは20人で、あとはアマチュア劇団員や素人で固められ、素晴らしい演技を披露している。

ストーリー

1953年、シチリア島。ジョー・モレッリ(セルジョ・カステリット)はおんぼろカメラを積んだトラックで田舎町にやって来た。彼は町の広場にテントを張り、道行く人々の映画の新人オーディションに参加するよう賑やかに呼びかける。たった1500リラのオーディション代で、明日の銀幕のスターの夢が手に入るというのだ。島の人々は一攫千金を夢見て、こぞって集まってきた。孫を売り込む爺さん、ジョーが配った「風と共に去りぬ」の台詞が覚えられず家族の話をする兄弟、セックスの自慢話をする男、陰気な町職人、娘のオーディション代を体で支払う母親、ダンテの『神曲』をシチリア語に訳して暗唱するアストロパオロ曹長(フランコ・スカルダーティ)、ガリバルディの戦争の生き証人で、112歳のレオナルド爺さん__。そして何とスペイン内乱の生き残りで、口がきけなくなったはずの老人(レオポルド・トリエステ)までが、カメラの前に座ったとたん、堰を切ったように語り出す。町外れでは山賊バダラメンティ兄弟たちもカメラの前に立った。ところが、ジョーが映画関係者というのは真っ赤な嘘で、彼はプロの詐欺師だった。次の町で、彼は自分の歳もよくわからない孤児のベアータ(タッツィアーナ・ロダート)に出会う。ほんの子供だと思っていた彼女をレンズ越しに見た瞬間、ジョーは美しさに打たれ、金を受け取ることができなくる。そこへマフィアが現れ、彼は死んだボスの死に顔を撮影するよう依頼された。葬儀の後、ジョーはマフィアとのポーカーで大儲けして町を去る。トラックにはベアータが忍び込んでいたが、ジョーは彼女を修道院へ送り返した。再度出発した彼は侯爵夫妻と名乗る男女と出会うが、彼らも同業の詐欺師で、まんまとトラックを奪われた。ジョーを追いかけてきたベアータの通報で、幸いにもトラックは見つかる。ジョーはベアータを抱き、次の日から彼女が助手となった。ところが、署長に昇進したマストロパオロが現れ、ジョーは逮捕された。「カメラの前では誰もが真実を言う。その人々をお前は裏切った」と、署長は激しくジョーを弾劾した。さらに彼は護送される途中、泣き叫ぶベアータの前でマフィアに半殺しにされる。2年後、刑期を終えたジョーはベアータを探し歩き、精神病院に入院した彼女を訪ねた。だが、ベアータにはもはや、ジョーが誰かも分からない。彼は親友のふりをして「奴にとって君は、心から愛したたった1人の女性だ」と心を込めて語った。トラックで旅だったジョーが録音機のスイッチを押すと、シチリアの人々の声が流れだし、彼らの顔が次々と脳裏に浮かんでは消える。「恋愛映画が大好きだわ。甘いキスでハッピーエンドよ」と笑う無邪気なベアータの顔が一瞬映り、そして消えた。

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作品データ

原題
L'Uomo Delle Stelle
製作年
1995年
製作国
イタリア
配給
ヘラルド・エース
初公開日
1996年2月10日
上映時間
115分
製作会社
シャルロ作品(製作協力/RAIレイディオ・テレヴィジオーネ)


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