修道女:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
修道女
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修道女

1996年9月7日公開、135分
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18世紀の作家ディドロが啓蒙目的で女子修道院の腐敗を告発した小説『修道女』(邦訳・極光社)を映画化、教会の偽善化のなかであえぐ一人の女性の苦悩を描くコスチューム・ドラマ。『カイエ・デュ・シネマ』の批評家を経てヌーヴェルヴァーグの旗手の一人となったジャック・リヴェットの長編監督第2作。ドゥニ・ディドロが1766年に発表した原作の小説『修道女』をまずは舞台化し、そして映画用に脚色。主な舞台となる二つの修道院を再現するためいくつもの修道院や廃墟などが部分的に使用され、編集でつなげられている。衣裳は「恋のエチュード」「暗殺の森」などのジット・マグリーニ。出演は当時のジャン=リュック・ゴダール夫人で「女と男のいる舗道」「気狂いピエロ」などに主演しているアンナ・カリーナがタイトルロールに扮する。他に「肉体の悪魔」「レ・ミゼラブル」のミシュリーヌ・プレスル、ルイス・ブニュエル監督の宗教的寓話「ナサリン」で主人公を演じたフランシスコ・ラバルなど。この作品は最初は61年ごろから企画されたが製作資金が集められず、舞台劇として63年から上演された。その後ゴダールのプロデューサー、ドゥ・ボールギャールが資金を出し、3時間近い舞台版の戯曲を再構成して映画化された。グリュオーは溝口健二の「西鶴一代女」に大いに影響されたと言っている。こうして65年に映画は完成されたが、カトリックに冒涜的だとして反対運動が起こり、一時は上映禁止となり、翌年のカンヌ映画祭で初めて上映されて賛否両論の論争を巻き起こした。

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ストーリー

1757年、パリ。貧乏貴族の三女シュザンヌ(アンナ・カリーナ)は修道女となる請願の儀式で「自分の意思ではない」と主張してスキャンダルを起こす。いったんは自邸に戻った彼女だが、親に結婚の持参金を払う経済的余裕はなく、当時の社会では修道女になるしかない。母(クリティアーヌ・レニエ)は彼女が不義の子であることを明かし、半ば強引に説得する。新しく入った修道院では修道院長モニ(ミシュリーヌ・プレスル)が彼女を導き、再び請願の儀式が行われる。正式に修道女になったシュザンヌだが、儀式の最中の記憶がなぜか欠如していた。モニが亡くなり、新しく院長になった聖クリスティーヌ修道女(フランシーヌ・ベルジェ)は狭量で独善的な女性で、肉体的苦行を復活させ、絶対の服従を要求して聖書を読むことすら禁じる。先代の院長を慕うシュザンヌは、院長に反発する。激しい迫害のなかで彼女は、そもそも請願の儀式の記憶がまったくない自分が修道女であることは誤りだと悟り、密かに自分の手記を俗世の弁護士マヌリ(ピエール・メラン)に届けさせ、請願取消の訴訟を準備する。シュザンヌの意志が明らかになると、院長は彼女を悪魔馮きと断じていよいよ激しく虐待する。教会指導部のセルファン神父(マルク・エロー)が審問に現れ、シュザンヌの無実と院長の横暴を暴いた。だが大司教(ユベール・ビュティオン)は、院長は有力者の子女なので罰は与えられないと言う。また教会の権威を守るため、彼女の訴えは却下された。だがマヌリ弁護士や、実は彼女に魅かれているセルファンの好意で、シュザンヌは別の修道院に移る。新しい修道院は明るく華やかな場所で、院長はシュザンヌを可愛がる。だがシュザンヌは院長をはじめ多くの修道女が同性愛に耽っていることに気づいていなかった。シュザンヌの告悔を聞いたルモワーヌ神父(ヴォルフガング・ライヒマン)は、院長が彼女を欲望していると見抜く。シュザンヌはその助言に従って救われるが、神父は院長の讒言で左遷される。新しい告悔神父ドン・モレル(フランシスコ・ラバル)は、シュザンヌに自分も神の召命を受けず、意志に反して僧籍に入ったと明かす。自分たちのような者は永久に救われないという彼の言葉に、彼女は動揺した。やがて彼は修道院から脱走する計画をもちかけ、彼女は話しに乗る。だが逃亡先で彼はシュザンヌを犯そうとし、彼女は逃れ、近くの洗濯屋に身を隠す。やがて乞食になったシュザンヌは、高級娼館の女将に拾われる。貴族たちの頽廃の宴の最中、シュザンヌは窓から身を投げて命を断つ。1761年のことだった。

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作品データ

原題
La Religieuse
製作年
1966年
製作国
フランス
配給
コムストック
初公開日
1996年9月7日
上映時間
135分
製作会社
ローマ=パリ映画=ソシエテ・ヌーヴェル・ドゥ・シネマ=ジョジュル・ドゥ・ボールギャール作品


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