エドワード・ウッドワード
Sergent Howie
原始宗教息づくスコットランドの離れ小島を舞台に、行方不明となった少女捜索に訪れた中年警部と、奇妙な島民の姿を描いた異色ホラー。権利の問題などから様々な長さのヴァージョンが存在したカルト映画の日本劇場初公開(ビデオはすでに廃版。今回の公開はイギリスでの初公開時と同じ88分ヴァージョン)。ケルト人の民族学的風習に裏打ちされた怪しくもどこかのどかな物語をミステリー、ホラー、ポルノ、ミュージカルなど様々な要素を混じえて描く。全編を彩るフォークソングも聴きどころ。監督は小説家・TV演出家・脚本家としても活躍する『ファンタジスト』(日本未公開)のロビン・ハーディ。製作はピーター・スネル。脚本はハーディの友人で後に映画化もされた大ヒット舞台劇『探偵スルース』で有名な「死海殺人事件」のアンソニー・シェイファー。撮影はハリー・ワックスマン。音楽はポール・ジョヴァンニ。美術はシームス・フランネリイ。編集はエリック・ボイド=パーキンス。主演はTVシリーズ『ザ・シークレット・ハンター』「キング・ダビデ/愛と闘いの伝説」のエドワード・ウッドワード。共演は「吸血鬼ドラキュラ」などドラキュラ俳優として名高いクリストファー・リー、「007/黄金銃を持つ男」のブリット・エクランド、「ハンナ・セレシュ」のイングリッド・ピット、「セバスチャン」のダンスの演出家でもあるリンゼイ・ケンプほか。
ハウイー警部(エドワード・ウッドワード)は行方不明の少女ローワンを捜しにスコットランドの孤島サマーアイル島にやって来た。夕方から酔っ払いが猥歌を大声で唄い、海岸では大勢の若者たちが乱交パーティー、その上、宿の娘ウィロー(ブリット・エクランド)は警部を誘惑、敬虔なクリスチャンである彼は煩悶の極致。ここではの島民たちの間で大地豊穰と男根崇拝が基本の原始宗教が信仰され、生活の隅々までに染み渡っているのだ。百年前にこの島に原始宗教を普及させた一族の末裔で統治者サマーアイル卿(クリストファー・リー)を訪問した警部は、強引にローワンの墓を掘り返す許可を取ったが、掘り起こした棺から出てきたのは、何と野兎の死体だった。直感的にローワンが生きていることを感じた警部は、彼女が翌日の豊作祈願の祭で生贄とされるのではないかと推測する。当日、動物の面をかぶり色とりどりの衣裳を身に纏った島民のパレードに、紛れ込んだ警部は、海の神に捧げる生贄となったローワンを助け出そうとするが、逆に籐で編んだ巨人ウィッカーマンの体内に押し込められ豚や鶏とともに燃やされる。実は全ては異教の神を信奉する無垢な人間を生贄にするための罠だったのだ。
Sergent Howie
Lord Summerisle
Miss Rose
Willow
Librarian
Alder MacGregor(Ouner of Green Man Pub)
Harbor Master
Gravedigger
May Morrison
監督
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
[c]キネマ旬報社