シアダレムラノヒトビト
Behzad Dourani
珍しい葬儀を行うというイラン北部の山村に、取材にやってきたTVディレクターが体験する奇妙な日々を描いたドラマ。監督・脚本・編集は「桜桃の味」のアッバス・キアロスタミ。撮影はマハムード・カラリ。音楽はペイマン・ヤズダニアン。出演はマハムード・カラリの元撮影助手で本作が映画初主演のベーザード・ドーラニー、シアダレ村の人々ほか。99年度ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリ受賞。
イランは首都のテヘランの北700キロにあるシダレという山村。そこで行われる珍しい葬儀の取材のため、クルーと同地に訪れたTVディレクターのベーザード(ベーザード・ドーラニー)だが、なんと亡くなるはずだったおばあさんが持ち直したと案内役の小学生の男の子ファザードからいきなり聞かされる。こうして一行は村でなすすべなく日を送る。村人は彼らがTVクルーではなく電話技師だと思い込んでいる。そんな彼の携帯電話には何度も雇い主のグダルジから催促の電話がかかってくる。電波が遠くて聞こえないため、そのたびに村で一番高い墓のある丘まで車をわざわざ走らせる。ヒマを持て余しながら過ごすうちにも、グダルジからは何かと催促され、スタッフからは決断を迫られ、イライラがつのるベーザードはファサードやカメに八つ当たり。そんな矢先、電話で呼び出され墓の丘に向かったベーザードは、そこで働いている知り合いになった穴掘りが生き埋めになった現場に遭遇。彼の急報で穴掘りは救出され、ベーザードはやってきた医者についでに例のおばあさんを診察してもらった。彼は医者のバイクに乗って町までおばあさんの薬を取りに行った。翌朝、帰り支度をしたベーザードがおばあさんの家をのぞくと、死を悼む泣き声がしている。彼は遠くから葬列に加わる女たちの姿をカメラに収めた。やがて彼は墓の丘で拾った足の骨を小川に捨て、車で村を去って行くのだった。
監督、脚本、製作、編集
製作
撮影
音楽
録音
字幕
字幕監修
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