ロバート・ソレンス
ロブ
不思議な力を持つ人物に魅せられ、彷徨する男を描く短篇ドラマ。監督・脚本は「月に水」の伊刀嘉紘で、撮影も担当している。99年みちのく国際ミステリー映画祭オフシアター部門グランプリ、01年ネクストフレーム・アジア・インディペンデント・フィルム・フォーラム・グランプリ受賞作品。スーパー8テレシネ→DV作品。ビデオプロジェクターによる上映。
アメリカ人とフィンランド人のカップル、ロブとネリは、ある日、“入口”という日本語の添えられた奇妙な落書きを発見する。落書きのポーズを模倣したネリは何者かに同調し、やがてロブの前から姿を消してしまう。ネリを捜して町を彷徨うロブ。しかし、彼はむしろネリに憑依した人物の方に理由もわからぬまま惹かれていくのだった。その人物=ヨコシマらは、見た物を他人とシェアする“broadcast”と呼ばれる特殊な力を持っていた。ネリは落書きのポーズを模倣したことで、それを受信する能力を得、様変わりしたのだ。ロブは紆余曲折の末、遂にヨコシマに会い自分も受信したいと望むが、古い環境に適応し過ぎた人間には不可能だとヨコシマは言い放つ。確かに今までの自分は視界にある筈のものごとにチューニングを合わせていなかったと認めるロブ。そんな彼を横たえさせたヨコシマは、ならばそのまま小便して見ろとロブに言う。そしてロブは、ヨコシマの目に吸い込まれるように、自分自身の深いところへ下降していくのだった。
ロブ
ヨコシマ
ネリ
写真屋の女
シカゴの男
狐面の男
狐面の男の手下
受信者
受信者
受信者
受信者
受信者
受信者
ヨコシマの声
ネリの声
写真屋の女の声
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