支那海:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
支那海
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支那海

1935年公開、87分
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「結婚十分前」「或夜の特殊」のクラーク・ゲーブルと「わたし純なのよ」「春の火遊び」のジーン・ハーロウ、「奇傑パンチョ」「曲芸団」のウォーレス・ビアリイの3人が主演する映画で、クロスビー・ガースティンの原作から「爆弾の頬紅」のジュールス・ファースマンと「類猿人ターザン・復讐編」のジェームズ・ケヴン・マッギネスとが脚色し、「SOS氷山」「海の荒鷲(1933)」のテイ・ガーネットが監督した。撮影は「スピード花嫁」「宝島(1934)」のレイ・ジョーンである。3人の主演を助けて「宝島(1934)」のルイス・ストーン「悪夢」のロザリンド・ラッセル、「キャラバン」のダッドリー・ディグス、「ベンガルの槍騎兵」のC・オーブレイ・スミス、「舗道」のリリアン・ボンドを初めロバート・ベンチレー等が出演している。

ストーリー

南シナ海の定期船キンルン号はシンガポールへ向けて香港を出帆しようとしている。船には金貨が積んであり沿岸は海賊船の出没する所だから乗組員も乗客も厳重な見張りの下に乗船している。乗客の中には本線航路の総支配人ガイ卿も乗り込んでいた。彼はキンルン号の船長アラン・ガスケルを沿岸随一の腕利きとして信頼していた。ガスケルは彼の情婦「中国人形」が乗っていたのを下船させようしたが、彼女は切符を持っているのでそのままにしておいた。出帆間際にシビルが乗船した。5年目の再会、彼女こそかつては上流社会の人間であったガスケルをシナ海の船長とまで墜ちさせた女であった。2人は5年前不幸な恋をした。女には夫があり彼は身を退いて東洋へ逃れたのである。今シビルは夫が死んだので気楽な世界漫遊の旅をしているのだという。勿論2人の恋は再燃した。荒くれ男のガスケルが急に上品な男になって優しい態度が船員を驚かした。2人の中を見て中国人形は嫉妬に胸を燃やした。男を男とも思わぬ女だがガスケルにだけは諦め難い愛を感じていた。半ば捨てばちな心から彼女はミカーデルという素性の怪しい豚商人に親しくなっていった。シビルとガスケルは婚約し、船がシンガポールに着けば結婚して英国へ帰る事に決めた。間もなく猛烈な台風の真ん中へ船は突き進んで行った。ガスケルは船客一同を広間避難させたが、中国人形はミカーデルの室に2人切りで酔っぱらっていた。彼の財布に100弗札の半分がはいっているのを彼女は発見した。裏には怪しげな中国語の符号らしいものが書かれているのである。彼こそは海賊の一味だと気がついたが、ミカーデルは仲間にならねば命を取ると脅迫した。台風の凪いだ次の日、中国人形は命がけでガスケルへ知らせに行ったが、彼は聞こうともせず頭から悪罵を浴びせて追い帰した。今は怒りに目が眩んで彼女は武器庫の鍵を盗み取ってミカーデルに渡した。夜になると果たして馬來人の海賊が襲撃しガスケルは拷問されたが金貨のありかを白状しない。海賊は金貨はないものと信じて引き上げんとした時、爆弾を身に抱いて賊船に乗り込み、一命をて捨て賊を全滅さしたのは卑怯者と皆に蔑まれていた3等運転士デヴィッヅだった。翌日船中では査問会が開かれミカーデルと中国人形の罪状は明白となった。「俺も此の女に一寸惚れたばかりに殺してしまわなかったのが身の破滅差」とミカーデルは秘かに毒薬を飲んで自殺した。悪魔らしい最後であった。中国人形は共犯として送局せねばならぬ。なんと愚かな女、だが命がけで知らせに来たのを追い払った自分はと、ガスケルは今こそ真実に愛するのはシビルではなく中国人形だと悟った。シビルは「遥々あなたを追いかけて来たのに、追いついたらあなたは私から遠ざかってしまったのね。」と寂しく笑うのであった。船はシンガポールへ着いた。「俺もおまえと同罪だ。後から警察へ行くよ」と聞かされて喜々として警察に拘かれて行くのである。

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作品データ

原題
China Seas
製作年
1935年
製作国
アメリカ
初公開日
1935年
上映時間
87分
製作会社
M・G・M映画


[c]キネマ旬報社