
パルベス
ラジュ
NGO“エクマットラ”が、バングラデシュでのストリートチルドレンの実態を伝え、支援を呼びかけるために製作した作品。首都ダッカを舞台に、大人によって利用され、社会の暗部に落ちていく子供たちの姿を描く。監督は、エクマットラの代表シュボシシュ・ロイ。主演のパルベスは、実際にストリートチルドレンだった過去を持つ。
インドとミャンマーの間に位置する国、バングラデシュ。少年ラジュ(パルベス)は農村での生活を捨て、生き延びるためのわずかなお金を握りしめ、大都会ダッカへ足を踏み入れる。そこでストリートチルドレンたちと知り合ったラジュは、彼らの元締め、イアシンという男のもとに連れて行かれる。だが実は、イアシンは闇の社会に生きる男で、子供たちを使って数々の違法な商売に関与していた。やがて、ラジュは自分がやっている悪事に気づかないまま、イアシンの手先になってしまう。一方、路上に捨てられた少女ククもイアシンの餌食となり、闇の生活に落ちていく。ダッカの闇は、逃れることのできないアリ地獄のように子供たちを引き寄せていくのだった……。
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