「紫」:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
「紫」
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「紫」

2011年12月17日公開、77分、ドキュメンタリー/アート
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京都に江戸時代から続く染色家“染司よしおか”の当主・吉岡幸雄の姿を追ったドキュメンタリー。植物のみを使用した天然染料を使った技法を追求する吉岡の姿を通じて、近代日本が置き去りにしてきたものを振り返る。監督と撮影はロック・ミュージシャンを追ったドキュメンタリー「BIG RETURNS」の川瀬美香。

ストーリー

京都に江戸時代から続く染色家“染司よしおか”の当主・吉岡幸雄は、大学生だった1950年代、都会の公害を目の当たりにする。当時の日本は、環境破壊という問題に無関心だったが、その後、先代から染司を受け継いだ彼は、染料を古代からの天然染料に戻すことを決意する。京都の澄んだ湧き水と植物から作られる色たちは、化学染料を超える美しさと深さを醸し出し、人々を魅了。吉岡は染職人の福田と共に、21世紀のアジアでも珍しく、難しい歴史的手法を伝承する植物染めの工房を営む。しかし、地球の気候変化は、染料の材料となる植物の栽培に影響を与えている。地球の状況が200年前と比べて異なっているため、原料となる植物が育ちにくくなっているのだ。21世紀に、植物だけで染めを行う技法は無理ではないか?という状況にまで至っているが、吉岡は諦めない。吉岡の仕事のひとつに古来の美術装飾品の復元がある。正倉院に保管されている歴史的な宝物や伎楽の衣装の制作手法を探究、復元する仕事である。科学が発達した現代よりも、昔の人の方が物作りの技術は高い、と吉岡は語る。福田は、いつも通り何食わぬ顔をして工房で“印度更紗”や“きょうけち”という高度な技術を再現して見せる。しかし、名門染屋ですらまだ再現した事のない古代技術があるという。工房では挑戦が続く。東大寺に1260年続く行事“お水取り”。五穀豊穣を祈るこの儀式に、紅花だけで染色した紅和紙を奉納する吉岡。何度も重ねて染め上げることで重く深みを持った吉岡紅が出来上がる。何度も繰り返し、耐え抜いた後、ようやく物干に下げられる鮮やかな色の宝物。吉岡が“ボロ屋”と呼ぶ工房では、現在ものろのろと、そして優雅に、素朴な手作業で美しい色が作り出されている。

予告編・関連動画

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予告編

2012/1/30(月)更新

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作品データ

製作年
2011年
製作国
日本
配給
ATMK
初公開日
2011年12月17日
上映時間
77分
製作会社
ATMK
ジャンル
ドキュメンタリーアート

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