愛、アムール|MOVIE WALKER PRESS
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愛、アムール

愛、アムール

2013年3月9日公開,127分
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『白いリボン』の名匠、ミヒャエル・ハネケ監督が、パリで暮らす老夫婦の愛を描き、第65回カンヌ国際映画祭パルムドールに続き、第85回アカデミー賞で外国語映画賞に輝いたヒューマン・ドラマ。自由に動かなくなった体に苦悩する妻アンヌを演じたエマニュエル・リヴァは、史上最年長でアカデミー賞主演女優賞候補にもなった。

予告編・関連動画

愛、アムール

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

パリで暮らすジョルジュとアンヌはともに音楽家の老夫婦。平穏に暮らしていたが、ある朝、アンヌの身に異変が。病による発作が原因で体は不自由になり、車椅子生活を送る事に。娘や周囲の人々の助けで、2人は以前と変わらぬ暮らしを続けていたが、日に日にアンヌの病状は悪化を続け、次第に家族からも世間からも孤立していく。

作品データ

原題
AMOUR
映倫区分
G
製作年
2012年
製作国
フランス= ドイツ=オーストリア
配給
ロングライド
上映時間
127分

[c]2012 Les Films du Losange - X Filme Creative Pool - Wega Film - France 3 Cinema - Ard Degeto - Bayerisher Rundfunk - Westdeutscher Rundfunk [c]キネマ旬報社

  • seapoint
    seapoint
    3.0
    2013/3/23

    老夫婦だけの介護は絶対、不可能。
    たとえヘルパーを利用しても24時間応対でなければ自宅介護は必ず限界がやって来る。
    高齢者が多くなる日本でも彼らのようなことは現実にある。介護は大変。赤ちゃんのように扱いやすくない。移動も重労働である。ヨーロッパはどんな福祉が整っているのか。自宅介護は極めて至難と感じるシーン多し。
    特に水回り。全然介護に適応されてない。ただでさえエレベーターがない螺旋階段のアパルトマンの住居はマジでキツい。車いすが余裕で通過できる部屋であるのが唯一の救いか。
    食事はステーキである。もちろん片側不随となったアンヌは細かく切ったステーキを頂いているが、すごいな。肉を食べる老人は元気?
    二度と病院に戻りたくないという妻の意思を尊重し、彼女中心の生活が始まる。
    刻々と衰弱し、娘が入院を勧めても夫は介護をし続けた。「痛い」と叫ぶ妻。その妻の手を優しく撫でながら、自分の幼い頃を語る夫。そして唐突とも言える彼の行動。
    体も痛いが心も痛い妻。
    もう改善の余地もなし。妻の心もわかるし、自分にも見える2人の先。
    そこに光は差していない。
    悲しいかな、そういう人が今なお進行中で現代の社会問題だ。ハネケはそこを容赦なく突いてくる。
    アンヌを演じたエマニュエル・リヴァ、アカデミー賞をTVで拝見したが90歳には全く見えない美しさ、それにも驚き。

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  • 泉
    4.0
    2013/3/19

    観ていて辛くなるような迫真の演技。
    私も何人かの身内の老人を見送ったけど、頑固になる。介護して居る側はたまらない。
    思わず手が出たり当たったりしてしまう事も有る。

    仲の良い夫婦だった。幸せな老後だったはず。
    世界は狭まり時間はゆっくりになる。
    そして遂にはアンヌの世界は家の中だけになる。
    少しずつ、確実に悪化していく病気。
    人生は長い。若く、輝いている頃は短いけれど、その先の衰えて行く時間は拷問のように長い。
    長寿って本当に幸せなのかしら・・と思える。勿論、健康で、家族に囲まれていたら、悪くはないのかもしれないけど。
    そんな幸運な人、中々居ないわよね。
    自分の意識がしっかりして居る内に行く末を案じて、早い内に終わらせてほしいと願うアンヌの気持ちは良く解る。
    最後の最後総てを背負ってくれるパートナーなんて、そうそう居ないからね。
    そういう意味でもジョルジュは最高のパートナーだわ。
    最後の行動は、愛だと思う。
    子供の頃、食堂で、病気だと気づかれずに全部食べるまで部屋に戻して貰えなかった孤独感、絶望感。その後の隔離された寂しさ、辛さ。
    妻はきっと、今、秘密のサインを送り続けている。
    痛い痛い・・と言いながら、自分に本当の救いを求めている。
    それを叶えてあげたかったんだよね。

    自分がこうなってしまったらどうしよう‥そう思うと息苦しくなる。
    私はどっちも見ているから。アルツハイマーになって、家族に長々と迷惑かけながら最期を迎えた祖母と、そんな実母を自宅介護し同じ年になる頃、いつかあんなふうに家族に迷惑を掛けたくない・・と言う思いに追い込まれ、自死を選んだ父と。

    今考えても仕方がないんだけど。
    我が子に介護を背負わせたくはないな。
    尊厳死が、認められたらいいな‥そうしたら、老いた時に自分の最期を思い悩んでおかしくなる事も無いかもしれない。

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    ネタバレあり
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  • ma_maru
    ma_maru
    5.0
    2013/3/11

    お得意の”悪意”がテーマでないハネケ。
    さて今回はどうなるのだろう?
    と思ったら、やはりいつものハネケでした。

    主要テーマの「悪意」はなりを潜めていましたが、
    その分、人間の魂を徹底的に破壊する老人の寝たきり&痴呆というテーマに挑みました。

    病に襲われる当事者。
    年老いた奥さんを介護する高齢の旦那さん。
    介護者と意思疎通が図れない老々介護の娘。

    その三者三様が痛いほどに立場がわかる。
    分かりすぎてコミュニケーションの断絶があまりにも
    溝が深すぎて修復不可能なくらいにまで広がる悲劇。

    この映画の恐ろしさは病人当人へのダメージはもちろん、介護する人間の魂もむしばみ、かつ、介護する人間を支える家族にもダメージを与える、負の連鎖です。
    テーマ自体が十分なパワーを持っていることがよくわかります。

    徐々に迫ってくる老いと違って寝たきりの病や痴呆は、
    人間の尊厳を簡単に奪ってしまいます。
    また、介護者の苦労は経験者にしか決してわからない、
    という極めて限定的な地獄のような辛さがある。
    また、「自分の生活だけを考えることのできる幸せな人間」からすれば、直接介護する人間の労苦というものは、意外に想像できない、というのも見ていて感じました。

    老々介護の辛さ、というのはイメージとしてはなんとなく理解していたような気になっていたが、この映画を観て何にもわかっていないんだな、ということだけははっきりわかった。

    三者の立場がよくわかり、全く相容れない状態を
    まざまざと見せられたことで、物凄く不快な気持ちになりました。
    これでこそが、ハネケの真骨頂、と感じました。

    終わってしまえば、いつものハネケ節炸裂という結果でした。

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