ウラジミル・フォーゲリ
マイケル・デニン
ロシア帝国からソビエト連邦へと移り変わった激動の時代に活躍したレフ・クレショフ。彼が見出した、異なる映像を編集でつなぎ合わせても、観る者はその前後のカットにつながりや連続性があるように認識するというクレショフ効果は、現代の映画作りの基礎となっている。本作はクレショフ監督の映画理論が一層深められ用いられているサスペンス・ドラマ。孤立した殺人犯と一組の夫婦を追う。「チェス狂」のウラジーミル・フォーゲリ、「宇宙飛行」のセルゲイ・コマロフ、「ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険」のアレクサンドラ・ホフローワらが出演。2013年、特集上映『レフ・クレショフ傑作選』にて上映。
北アメリカ大陸北西部。カナダとアラスカの間を流れるユーコン川の岸辺で、4人の男と1人の女が金の採掘をしていた。やがてグループ内のデニン(ウラジーミル・フォーゲリ)が鉱脈を見つけるが、手柄を立てたにも関わらず他のメンバーから侮られているように感じたデニンは二人を射殺。残りのハンス(セルゲイ・コマロフ)とエディス(アレクサンドラ・ホフローワ)の夫婦に取り押さえられる。そのうちに川は氾濫し3人は孤立、同じ小屋で過ごさざるをえない状況になる。ハンスとエディスは殺人犯デニンの扱いについて話し合う……。
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