監督、撮影
日本在住のアメリカ人監督イアン・トーマス・アッシュ(「グレーゾーンの中」)が、福島第一原発事故以降の福島の子どもたちの姿を追ったドキュメンタリー。事故発生の2011年以降、18歳以下を対象にした甲状腺検査で、A2判定を受ける子どもたちが増えているという結果を踏まえ、子どもたちを取り巻く福島の現状を映し出す。
ストーリー
2011年3月11日、東日本大震災とともに福島第一原発で事故が発生。その11日後、日本在住のドキュメンタリー監督イアン・トーマス・アッシュは、福島の取材を決意する。今、福島で一体何が起きているのか?その事実を知りたいという一心でアッシュは福島を訪れ、カメラを片手に町や人々の様子を撮り続けた。中でも親しみを覚えたのは、外国人の自分に無邪気に声をかけてくる子どもたち。やがて、その子どもたちにある異変が起きていることを知る。取材に応じた母親たちは、“県内で18歳以下の子どもたちを対象に行われた甲状腺検査で、A2判定を受ける子どもたちが2011年から2012年にかけて増えている”と訴えた。甲状腺に発生した嚢胞やしこりの大きさによる判定レベルは“A1、A2、B、C”の4段階に分類され、順に症状の大きさを表す。同時にアッシュは、子どもたちを取り巻く校庭や通学路の汚染除去の日常の実態もカメラに収めてゆく。まるで家族のポートレイトを撮るかのように愛情をもって、原発事故以降の福島を撮り続ける。テレビでは報道されない福島の厳しい現実と住人の切実な訴えが、カメラを通して静かに映し出される。果たして、子どもたちの未来は安全なのか?それでも私たちは、何も起こっていないと見過ごすことができるのか……。