神経難病ジストニアの患者が局部麻酔下で脳深部刺激の開頭手術を受ける様子や、執刀医、患者会の活動、患者仲間に密着したドキュメンタリー。ナレーション、テロップを使わず、患者とその家族、医師たちの生の声をそのまま伝え、ジストニアを通して人間の生き様を描く。監督は、本作が長編映画第1作となる川畑友生。
ストーリー
神経難病ジストニアの患者会であるNPO法人ジストニア友の会副理事長の佐藤は、ジストニア症状が首に現れる痙性斜頚の患者で、ボツリヌス毒素療法などジストニアの治療を長年続けていた。しかし平成24年春、ジストニア症状が悪化し、体幹が曲がり痛みに悩まされるようになったため、脳深部刺激を受けることを決意した。東京女子医科大学病院脳神経外科平医師による、ジストニアおよび脳深部刺激の説明を受ける。手術前の体調が悪いなか、超党派の国会議員が参加する難病議連の設立総会へ、患者会の代表として出席する。難病議連設立の呼びかけ人のひとり参議院議員岡崎トミ子と面談し、手術に臨む心境を語る。平医師の執刀で、脳深部刺激の電極を脳に埋め込む手術を受ける。手術は局部麻酔で行われ、医師と患者は談笑している。手術の翌日から、手腕のジストニア、痙性斜頚、眼瞼痙攣、痙攣性発声障害、全身性ジストニア、書痙、遅発性ジストニアの患者とその家族たちが佐藤の見舞いに訪れる。ジストニア友の会理事長で神経内科の主治医堀内医師も見舞いに訪れ、ジストニアについて語る。手術後、佐藤は現厚生労働大臣の田村憲久衆議院議員と面談する。ジストニア友の会交流会・S.D.C.P発声障害患者会イベントが行われる。また、翻訳をすべてボランティアで行った『どうして弾けなくなるの?<音楽家のジストニアの正しい知識のために>』翻訳出版関係者慰労会が行われ、左手のピアニスト智内威雄が演奏する。脳深部刺激手術から1年1カ月後、東京女子医科大学病院内において、映画「ジストニア」の試写会が行われた。佐藤は映画出演共演者と言葉を交わし、ジストニアのパンフレットを手に、元気に今後の抱負を語る。