第二次世界大戦中のインドネシアで、軍人・軍属の日本人男性とインドネシア系オランダ人女性の間に生まれ、終戦後オランダへ渡った日系二世の辿った数奇な運命を描く短編ドキュメンタリー。監督・脚本・編集は、「兵隊だったおじいちゃんへ」の砂田有紀。IMA国際映画賞2014短編ドキュメンタリー部門金賞受賞。
ストーリー
第二次世界大戦中、日本軍の占領下にあったオランダ領インドネシアで、軍人・軍属の日本人男性とインドネシア系オランダ人女性の間に生まれた混血の子供たち。終戦後、父が日本に引き揚げると、彼らは母の国オランダへ渡った。しかしそこでは“敵国の子”として蔑まれた。自分は何者なのか、望まれて生まれてきたのかと悩んだ彼らは、その答えを知るためにも、日本にいる父にひと目会いたいという想いが募った。一人の日本人元兵士が協力を名乗り出ると、百通を超える父親探しの依頼状が彼の元に届いた。しかし実際には、その何倍もの悲しい物語があったことだろう。戦後七十年が経ち、かつての子供たちはすっかり年老いたが、その大半は父が日本人であること以上は何も知らされないままである。