天才の妻:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
天才の妻
天才の妻
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天才の妻

1930年公開
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オードレイ及びウェヴァリー・カーターの合作した舞台劇を基にして「悪魔スヴェンガリ」「クラック将軍」のJ・グラブ・アレキサンダーが映画脚本にまとめあげ、台詞を付し「オフィスワイフ」「四十八手の裏表」のロイド・ベーコンが監督し、「戦争」「狼火」のアーネスト・ホーラーが撮影を担任した。主演者は「化粧の天使」「愛欲の人魚」のビリー・ダヴで、助演者として「第一の恋」「がらくた宝島」のバジル・ラスボーン、「影を売る男」「愛欲の果て」のケイ・フランシス、「キスメット(1930)」「猫は這寄る」のモンタギュー・ラヴ、「地獄の一丁目」「摩天楼の銃声」のケネス・トムソンなどがつきあっている。

ストーリー

英国名門の1人娘パトリシアはノースモーア卿という婚約者を好まず、父ヘンリー卿の意思に背いてポール・デェラルディという無名の堤琴手と結婚した。パトリシアは貧しい芸術家の妻の生活に屈せず、夫を励まして、遂にポールの天才は数年ならずて世間に認められるようになる。パラキレフという女伯爵はデェラルディに興味を感じ、彼を誘惑する。ポールは己の名誉に酔い、かつ彼女の手管に迷わされて、遂にパトリシアに背いてしまう。その頃彼はパトリシアのおかげで有名になった事もすべて忘れ果てて、彼はパラキレル女伯爵と一緒に避寒地に出没したりするので、社交新聞は色々とかき立てるし、社交界は噂をするようになる。しかし、パトリシアは家を出る時の言葉の手前もあるし、非常に意思の強い女であったので、さような事に厭倒されない。父のヘンリー卿は温和に説いて彼女に家に帰り一緒に住む様にすすめたのであったが、それでも彼女は志をひるがえさなかったのである。もちろん父の言葉は身にしみたのだが。パトリシアは親友のアラン・ポメロイと言う医師に邂逅する。彼は長年彼女の事を思っていて、依然として独身でいる。彼女の父ヘンリーはポメロイに好意をもっていた。しかしパトリシアは孤閨を守る。デェラルディは舞台に卒倒して病院に運ばれ、非常な重体に陥る。パトリシアはただちに駆け付け、ポメロイ医師は義侠的に治療を引き受けるのであった。手術の結果は思わしくなく、包帯を取るようになっても彼の神経は蘇ってはこなかった。全くの全身不随となってしまって、わがままほうだいな毎日を暮らすようになる。パトリシアは甲斐甲斐しく介抱していたが、ポールは嫉妬と猜疑の念が強く、事々に彼女に辛くあたった。就中、彼女とポメロイ医師の間柄をやかましくいい、曲解する。かつての日には天才的堤琴手として舞台に華やかであったデェラルディと思えばこそ、パトリシアは全身のきかない不自由さといらだたしさを察して我慢しているのであったが、ポメロイ医師の方はある時遂に彼の暴言にさじを投げてしまう。彼は最後の別れと思ってパトリシアに一緒に自動車の所まで見送ってもらう。すると、全身付随であったはずのポールは窓際まで歩いて行き、2人の様子を秘かに伺うのである。そして、2人が何事もなく別れるのを見て、堤琴を手にし、昔ながらの微妙な音色で一曲かなでるのであった。パトリシアは病室からもれる楽音に、一時は気の迷いかと我が耳を疑ったが、部屋に入ってみて彼が全快している事を知る。彼女は驚きのあまり一時は口もきけないのであったが、心がしずまるや、まずこう尋ねるのであった。「全快しているのに、何故そうして病床に不自由を装っていたの。ただの利己心ではそんなに我慢はできないでしょうに」と。デェラルディは答えた。「私は哀れみの心に訴えて、君を引き止めようとしたのだ。」と彼はパトリシアに言った。「君はもう解放されたのだ。私は堤琴に帰る。君はポメロイ君のところに行き給え」しかしパトリシアはやさしく彼を抱くのであった。「必要なのは愛だけなのに」というのであった。迷いは長かったが、迷える羊は遂に妻のもとへ帰って来たのである、。

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作品データ

原題
A Notori us Affair
製作年
1930年
製作国
アメリカ
配給
W・B・F・N支社
初公開日
1930年
製作会社
ファースト・ナショナル映画


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