北乃きい
おすみ
藤沢周平の短篇集『橋ものがたり』の一篇を名匠・井上昭監督が映像化。両親を早くに亡くしたおすみは、自らの意思とは関係なく縁談が決まり、将来に希望を抱くこともない日々を送っていた。そんなある夜、人を殺めて追われている男・新七がおすみの前に現れる。脚本を「あ・うん」「その木戸を通って」の中村努、音楽を「十三人の刺客」「無限の住人」の遠藤浩二が担当。出演は「TAP THE LAST SHOW」の北乃きい、「エルネスト」の永山絢斗。ナレーションを「おかえり、はやぶさ」の中村梅雀が務める。
両親を早くに亡くしたおすみ(北乃きい)は、娘らしい華やかな思い出もないままに成長、今は伯父に任された履物屋で一人住まいをしている。自らの意思とは関係なく、がさつな職人・勝蔵(仁科貴)との縁談も決まり、将来に希望を抱くこともない日々を送っていた。そんなある夜、おすみの家に突然若い男が逃げ込んでくる。「喧嘩をして追われているので匿ってほしい」と言う小綺麗な身なりをしたその男は、おすみを“お嬢さん”と呼ぶのだった。その響きに、おすみは心の揺らぎを覚える。男に危険はないように思え、匿うことにしたおすみだったが、やがて男の名は新七(永山絢斗)といい、人を殺めて追われていることを知る……。