濱津隆之
日暮隆之
監督&俳優養成スクール、ENBUゼミナールのワークショップから生まれた異色ホラー。37分間にわたるワンカットのゾンビ・サバイバル映画の撮影に挑む俳優やスタッフの前に本物のゾンビが出現し、事態が混迷していくさまが描かれる。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で観客賞を受賞するなど、国内外の映画祭で話題となった。
※結末の記載を含むものもあります。
山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影を続ける自主映画の撮影隊。しかし、本物を求める監督はなかなかOKを出さずにテイクは42に達する。しばしの休憩中、スタッフの1人が廃墟にまつわる話をしていると、突如、本物のゾンビが出現。思わぬトラブルにも大喜びの監督は撮影を続け、撮影隊の面々は次々とゾンビ化していく。
日暮隆之
日暮真央
日暮晴美
神谷和明
細田学
山ノ内洋
山越俊助
古沢真一郎
笹原芳子
松浦早希
吉野美紀
栗原綾奈
松本逢花
谷口智和
藤丸拓哉
黒岡大吾
相田舞
温水栞
監督、脚本、編集
プロデューサー
アソシエイトプロデューサー
アソシエイトプロデューサー
制作
撮影
録音
助監督
特殊造形・メイク
ヘアメイク
[c]ENBUゼミナール [c]キネマ旬報社
制作費300万円弱というこの映画が、新宿の大箱を満席にしているのを見て、しかも観客が心から面白がっていた様子を見て、速報サイトで驚きの成功の予兆も当然かも知れないなと感じたのでした。
(全国の公開映画館で、なんと70%もの客席が売れていた!
まったくありえない高数字)
私が言いたかったことは、すでにすべて他の方が書いているので省略し、この映画が成功したポイントについて、感じたことを書きたいと思います。
低予算でありながらも大成功を収めたポイントのひとつは、ヒロイン役と、重要な脇役である「お母さん役」に、それぞれ芸歴が長く、しかも下積み生活が長くても腐らずに勉強を続けてきた二人の女優を据えた点だと思いました。
たとえば、出演者の打合せのシーンで、ヒロインの秋山ゆずきさんが、事務所の方針なのでちょっとそれは……と婉曲に断る時の迫真の演技など、これは絶対に素人にはできない名演技で、経験者によるリアルを実感させられました。
お母さん役のしゅはまはるみさんも、実際に映画の役柄通りに干された経験をお持ちなのだろうなと思える、しかしそれでも勉強することを続けてきた人としての、骨のある演技を楽しませてくれました。
優秀な海外販売エージェントを見つけ、ぜひアメリカにも上陸し、来年のアカデミー賞まで狙って欲しい、そんな作品だったと思います。
(ただし英語圏の市場特性を考えるなら、絶対に吹き替えで公開すべき)
絶対に楽しめる、今年最高の映画だったと感じました。
なお、最大の勝者は、品川の映画スクールだったりして。
これだけ無名の実力者を育て上げられたというのは、ダテじゃないでしょ。
ps. なんだかんだで、本日、2度目の鑑賞に行きました。リピーターとして観ても新たな発見がいっぱいあって楽しめました。
メチャクチャな映画ですが、これで制作費わずか300万円なんですからねぇ……。
※告知※ 今後、私のレビューは「映画コム」のほうに順次移行し、ムービーウォーカーに書いていたものは、移行終了後に削除することにしております。ご了承ください。
ワンカットでゾンビ映画を撮影する現場に本物のゾンビが襲いかかり…
公開からもう2年も経過したので今更ネタバレを気にするものでもないが
端的に言えばこれは素晴らしい映画。
全編通して無駄なシーン・無駄なセリフが一つもなく、
冒頭の「なんだこりゃ」から始まった印象から
するすると物語の真相が明らかになっていくにつれて
親子と映画に対する愛を強く感じられるのがとても良い。
ワンカット撮影で手持ちカメラを多用する分
私が体質的に酔いやすいという個人的難点があるにせよ
大傑作だと思う。