大泉洋
鹿野靖明
難病で車いす生活を強いられながらも、力強い生き様で多くの人々に影響を与えた実在の人物、鹿野靖明さんを、大泉洋が演じるヒューマンドラマ。難病・筋ジストロフィーで、人の助けがないと生きていけないのに病院を飛び出して自立生活を始めた鹿野。そんな彼に振り回されながらも、出会いを機に変わっていく人々の物語が描かれる。
※結末の記載を含むものもあります。
鹿野は難病の筋ジストロフィーで常に誰かの介助がないと生きていけない体にも関わらず、医師の反対を押し切って病院を飛び出し、ケア付き住宅で自立生活を始める。彼を介助するボランティアで医大生の田中は鹿野に振り回されっぱなし。しかも、たまたま鹿野宅を訪れた恋人の美咲が一目ぼれされてしまい、代わりに愛の告白を頼まれてしまう。
鹿野靖明
安藤美咲
田中久
高村大助
前木貴子
塚田心平
泉芳恵
鹿野清
鹿野光枝
田中猛
野原博子
監督
脚本
原作
音楽
エグゼクティブプロデューサー
エグゼクティブプロデューサー
企画・プロデュース、企画プロデュース
ライン・プロデューサー
撮影
照明
美術
録音
編集
衣裳デザイン
ヘアメイク
装飾
VFX
音響効果
記録
医療指導
介助指導
音楽プロデューサー
制作主任
制作担当
助監督
プロデューサー
プロデューサー
[c]2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会 [c]キネマ旬報社
凄くパワフルな鹿野さんを大泉洋がパワフルに演じました。
ワガママな主人公は最初のうちはイラッとさせられますが
なかなかこの人は一筋縄ではいかない
単なるワガママな難病患者ってわけじゃない。
さぞ頭もいいんだろうなって感じさせ、
人を惹きつけてしまう魅力があるんですね。
それにしても大泉洋ちゃんは立派な俳優になりました。
色んな役を演じられる凄い俳優になったもんですね。
【賛否両論チェック】
賛:身体が不自由だからこそ、自分の今の気持ちに正直に生きている主人公の姿や、そんな主人公を支え続けたボランティア達の姿に、思わず感動させられる。
否:主人公のキャラクターは、どうしても好き嫌いが分かれそうなところ。Hなビデオのシーンもあり(笑)。
正直なところ、物語の主人公の人柄は、賛否というか好き嫌いというか、そういったものが分かれそうなところです。自分では出来ないことを、ボランティアに口うるさくワガママを言ってばかりの主人公。そう感じてしまった人には、正直あまり感動出来ないかも知れません。
しかし一方で、そんな主人公のワガママを観ていくうちに、それが何も包み隠さない、命懸けの素直な気持ちだということに共感出来ると、物語の見方は180度変わってきます。主人公自身が言うように、「1日1日が勝負」の中で、今の自分の気持ちに正直に生きるということ。そんな当たり前のようで難しいことを、正面から伝えてくれるような生き様に、思わず感動させられてしまいます。
そしてそんな主人公を温かく見守りながら、時にケンカして、それでも傍に居続けたボランティアの方々の姿も、また感慨深いものがあります。劇中で高畑充希さん演じる美咲が言い放つ、
「鹿野ボラ、ナメないで下さい。」
というセリフがカッコよかったです(笑)。
観る人によっていろんな感想がありそうな、そんな作品かも知れませんね。
難病で24時間体勢の介護が必要な主人公と、彼を支えた多くのボランティアたちとの話。障がい者の性の事情や恋愛など、綺麗事じゃない部分もしっかり描かれた良い作品だと思う。
自分が最初に感じたのは、ボランティアの人たちが凄いなということ。自分には、24時間体勢の介護が必要な人間を自宅で看た経験がある。正直言って肉親でも嫌になるぐらいきついことだ。それを、赤の他人なのに、しかも無償で介護することができる精神は凄まじいなと。
だけど、よくよく考えてみると、ボランティアを多く集めたのは、一人一人の負担を減らすことが目的だったのでは思い至った。親に迷惑を掛けたくない、病院で暮らすのも嫌、だけど自分一人では生きられないから他人に助けてもらう。それでも卑屈にならず、健常者と対等であろうとした主人公の物凄いパワーに圧倒された。対等であろうとするあまり、わがままで横暴に振舞ったり、時には暴言を吐いたりする。それでも多くのボランティアが支えてくれたのは、それだけ魅力的な人物だったからだろう。
障がい者とボランティアとの理想的な関係性のように思えたが、これは携帯電話も普及していない昔の話なのだ。今の時代じゃ通用しないだろうなと思う。SNSでわがままぶりを暴露されて、何も知らない無関係な人間からの激しいバッシングにさらされ大炎上するのは間違いないだろう。