マイサ・アブ・エルハーディ
Layal Asfour
実話をモチーフにパレスチナが直面する理不尽な現実を描き、第89回アカデミー賞外国語映画賞ヨルダン代表作品に選出された社会派ドラマ。パレスチナ人教師ラヤルは虚偽の告発によりイスラエルの刑務所へ。絶望の日々を送る中、彼女は息子を出産するが……。監督は「シャティーラキャンプの子供たち」のメイ・マスリ。イスラーム映画祭3(2018年開催)にて上映後、劇場公開。
1980年、ヨルダン川西岸地区ナブルス。パレスチナ人の女性教師ラヤルは、虚偽の告発によりイスラエルの刑務所に収監される。そして裁判では8年(約3千日)もの懲役がくだる。かの地の縮図のようにパレスチナの政治犯とイスラエルの犯罪者がいがみあう監獄の中で絶望の日々を送るラヤル。妊娠していた彼女はやがて息子ヌールを出産。パレスチナ人の待遇は酷さを増す一方で、ヌールが2歳になった頃、レバノンの首都ベイルートの難民キャンプでレバノンの親イスラエル派民兵組織がパレスチナ難民を大量虐殺する、いわゆるサブラ・シャティーラの虐殺が起こった。怒りが頂点に達した女性囚たちは、ついにハンガーストライキを決行する。