太平洋戦争中、マーシャル諸島で命を落とした日本兵の息子が、父の最期の足跡を辿る姿を追ったドキュメンタリー。77歳の佐藤勉は、2歳の時に別れた父が死の数時間前まで書き続けた日記を手掛かりに、マーシャル諸島を訪れ、最期の地を巡る旅に出る。タレントとして活躍する藤岡みなみがプロデューサーを務めている。
ストーリー
太平洋戦争中、日本の委任統治下にあったマーシャル諸島では、約2万人の日本兵が命を落とした。その1人、餓死した佐藤冨五郎が死の数時間前まで書き続けた日記は戦後、戦友によって家族の元へ届けられた。そこには、日本から遠く離れた太平洋の島での最後の日々が克明に綴られていた。2歳で父と別れ、74歳になった冨五郎の息子・勉は、日記を手がかりに父の最期の地を巡る旅に出る。マーシャル諸島在住経験のある若者たちが、その案内役を務めた。道中、目に飛び込んでくるのは、旧日本軍が遺した建物を使った家、錆びついた砲台で遊ぶ子供たち、地中に埋まった電線を掘り出して作った手工芸品、日本語の恋の歌を歌う人々……。暮らしの至る所に、戦争の記憶が顔を覗かせていた。1人の日本兵の魂が辿った道を追う中で、不意にマーシャルの人々の“記憶”に触れ、慌てる。これはただの慰霊の旅なのか?美しい海と陽気なウクレレが心にざわめくドキュメンタリー。