松山ケンイチ
ガロ・ティモス
TVアニメ「天元突破グレンラガン」「キルラキル」の監督&脚本コンビによる完全オリジナルのSFアクション。突然変異で誕生した炎を操る人種バーニッシュと、高機動救命消防隊バーニングレスキューの面々の対決や、その裏で暗躍する不審な出来事の数々が描かれる。バーニングレスキューの新人隊員ガロの声を松山ケンイチが演じる。
※結末の記載を含むものもあります。
突然変異で誕生した炎を操る人種バーニッシュが世界の半分を焼失させる未曾有の事態を引き起こしてから30年。対バーニッシュのために結成された高機動救命消防隊バーニングレスキューの面々は日々起きるバーニッシュ災害に対応していた。そんなある日、バーニングレスキューのガロはより過激な活動をするマッドバーニッシュのリーダー、リオの捕獲に成功する。
ガロ・ティモス
リオ・フォーティア
クレイ・フォーサイト
ビニー
デウス・プロメス博士
アイナ・アルデビット
レミー・プグーナ
バリス・トラス
ルチア・フェックス
イグニス・エクス
エリス・アルデビット
ヴァルカン・ヘイストス
ゲーラ
メイス
ビアル・コロッサス
監督
脚本、原作
原作
キャラクターデザイン
美術監督
音楽
色彩設計
3Dディレクター
撮影監督
編集
音響監督
タイトルロゴデザイン
主題歌
クリエイティブプロデューサー
アニメーション・プロデューサー
プロデューサー
[c]TRIGGER・中島かずき/XFLAG [c]キネマ旬報社
【賛否両論チェック】
賛:一本気な主人公が、“バーニッシュ”のリオ達との出逢いを通して、人間の生きるべき姿を戦いながら見出していく様が、痛快でカッコイイ。異端者を排斥する人間の浅ましさや、命に対する本質的な問い等、テーマも意外と深い。
否:画の感じや世界観等の演出に、好き嫌いは大きく分かれそう。ストーリーもかなりご都合主義で、ツッコみどころも多い。
独特の世界観や画のタッチに、まずは好みが分かれそうなところです。破天荒で向こう見ずだけれど、真っ直ぐで熱い主人公・ガロが、文字通り“炎”を燃やすことで生きているリオと出逢い、戦いながら彼らの存在に感化されていく姿は、王道であり感慨深いものでもあります。
また、本人も望まない力を持ってしまった“バーニッシュ”というだけで、容赦なく迫害してしまう人間の浅ましさや、そんなバーニッシュと対峙する中でガロが痛感していく「命とは?」という、想像以上に深いテーマの数々が描かれているのも、観ていて予想外の感動を生みます。
ツッコみどころも勿論多くて、特にクライマックスへ向けての都合よすぎる展開は、思わず唖然としてしまいますが(笑)、そんな演出もまた粋なもの。ガロやリオの痛快な活躍から目が離せない、そんなアクションムービーです。
プロメアを見た感想をまとめました。
結論:爽やかな余韻が残る気持ちのいいアニメだった!
良かった点
・現実ではありえない、色彩豪華で目を見張る効果演出の数々に自然とワクワクして口角が上がります。いい塩梅に誇張されていたり、綺羅びやかな演出がなされていることをケレン味というならば、これほどケレン味のあるアニメ映画はそうないでしょう。中盤終盤は特に、キャラの感情に合わせた演出に思わず言葉をのむシーンが多くあり、大変情緒豊かな映画でした。
・キャラクターたちの素直で真っ直ぐな表情とセリフを聞いているうちに、まるでキャラクターたちと親友になったような感覚になります。
・すべてのキャラの声はキャラと見事に融和していました。例外はありません。特にガロ、リオ、アイナの三人の声はまさに「キャラの声」そのものとなっており、声優は誰なんだろうなんて疑問は鑑賞中頭の片隅にも現れませんでした。
・劇伴が素晴らしく良く、家に帰っても何度も何度も映画の思い出とともに頭の中に蘇ってきます。そのたびに映画の迫力を反芻しており、幸せというほかありません。
更に良かった点
・ストーリーが王道にそったわかりやすい筋です。そのためキャラクターの素直さ、ライバル炎大砲友情ロボット爆発合体その他要素のカッコ良さがまっすぐ頭を貫いてきます。しかし王道でありながら、消防と火を操るミュータントという他に類を見ないモチーフ、綺羅びやかな演出、声優陣の素晴らしい演技によって、先が見え透いていてつまらない、どこかで見たことがあって退屈だといった気持ちは少しも湧いてきません。
*そうはいっても、どこかで見たことがある感覚は監督の過去作品を知っている人ならば必ず感じるでしょう。確かにプロメアの声優やキャラの見た目・相関関係はグレンラガンやキルラキルのそれらと共通点・類似点が多くあります。しかしそれは「昔よく似たやつをみたことあるな」といったレベルであり、プロメアの世界のキャラクターはプロメア世界のキャラクターとして完全にキャラ立ちしております。プロメアのキャラクターを見て「昔のキャラの焼き直しだなあ」なんて粗悪な感覚などチリ1つも感じないので安心してください。
・主人公ガロとリオにきちんと焦点があたっており、無駄な場面がありません。劇中で課題に直面し、感情を爆発させ、葛藤する中心はガロとリオです。彼らの見せ場が多くを占めるおかげで、バーニングレスキューとマッドバーニッシュの対立、そしてやがてお互いを受け入れ認め合うストーリーをしっかりと捉えることができました。
*バーニングレスキューの皆は本当に気のいい仲間たちでした。だからその分、最終的な敵との対決にもっと協力する場面が欲しかったかも…。別にその場面がなかったから全体的に残念になったということはまったくありません。その分ガロとリオの格別に熱い友情を味わえると考えてください。
まとめ
・最初僕は、プロメアの制作陣がグレンラガンやキルラキルのメンバーだと知り、きっとプロメアは純度100%熱さMAX脳汁ドバドバ漢気アニメだと思い、そしてそれを期待して観に行きました。実際に鑑賞してみた後で、それはちょっと間違った認識だなと思いました。というのも、燃焼してストレス発散した~!とか興奮に満ち満ちる!という余韻ではなく、なんというか、人間関係や社会への漠然とした不安がサーッと薄れ、友達と語り合った後のような素直な気持ちよさ、爽やかな高揚が強く残ったからです。こればっかりはなんでか分かりません。したがって、熱い心になる映画だった!ではなく最初に書いた結論になりました。僕は2回目を見に行くつもりです。まだ鑑賞されていない方は、ぜひとも映画館で見ることをオススメします!