稲垣吾郎
美倉洋介
手塚治虫が1970年代に発表した大人向け漫画を、稲垣吾郎&二階堂ふみW主演で手塚眞監督が実写化。ある日、人気小説家・美倉洋介は酔払った少女ばるぼらに出会い、家に連れて帰る。大酒飲みで自堕落な彼女だったが、美倉は奇妙な魅力を感じ追い出せずにいた。共演は「柴公園」の渋川清彦、「いちごの唄」の石橋静河。第32回東京国際映画祭コンペティション部門正式招待作品。
※結末の記載を含むものもあります。
異常性欲に悩まされている耽美派の人気小説家・美倉洋介(稲垣吾郎)。ある日、新宿駅の片隅で、酔っ払ったホームレスのような少女ばるぼらと出会った美倉は、彼女をつい自宅に連れて帰る。ばるぼらは大酒飲みで自堕落な女であったが、美倉はなぜか彼女に奇妙な魅力を感じ、追い出すことができなかった。そんな彼女を近くに置いておくと不思議と美倉の手は動き出し、新たな小説を創造する意欲が沸き起こる。それは、あたかも芸術家を守るミューズのような存在であった。そんななか、美倉はエロティックで異常な幻覚に悩まされ、次第に彼の周囲は現実離れしてゆく。やがて、美倉はばるぼらとの結婚を決意するが、それは同時に破滅への入口であった……。
監督、編集
原作
撮影監督
撮影監督
脚本
プロデュース
プロデューサー
プロデューサー
共同プロデューサー
共同プロデューサー
共同プロデューサー
キャスティング
照明
録音
美術統括
美術
音楽
扮装統括
助監督
制作担当
[c]Barbara Film Committee [c]キネマ旬報社
二階堂ふみの無駄い映画。 漫画で成立している表現と世界観を、そのまま実写映画でなぞろうとしたがゆえの失敗作。 ばるぼらのコスチュームが原作ままであるあたりがその典型。新宿の現在風景とのチグハグさが痛々しい。 近松門左衛門の「虚実皮膜論」のとおり、藝といふものは實と虚との皮膜の間にあるもの也。
薄っぺらな駄作。中身と言えば二階堂ふみの肢体くらい。 寄せ集めの映像美で逃げ切ろうとしたらしいが美学の一貫性も無く”スタイリッシュ”には遠く及ばず。撮影監督がクリストファー・ドイルと知って、悪い意味でびっくり。 原作の時代(1970年代。ネットもビデオも無く、人々は書き言葉で触発される幻想に見悶えた)だから成立した話。それをろくに咀嚼せず単純に現代にスライドさせた監督の浅はかさが致命的
手塚治虫の劇画を映画化した作品。荒廃した都市に佇む悪魔が随所に現れ、観るものを幻想的な世界に引き込む。二階堂ふみ演じるばるぼらが存在感を増すが、宗教がかった演出は「ミッドサマー」のシーンをふと連想させて興味深い。渡辺えりさんの占い師役が適役で面白かった。