監督、撮影、編集、構成
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チベット・ケサル大王伝 最後の語り部たち
2019年4月12日公開、90分、ドキュメンタリー/ヒューマンドラマ
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東チベットで受け継がれてきた世界最長の英雄叙事詩『ケサル大王伝』の語り部たちを追ったドキュメンタリー。取り憑かれたように語る神授型の語り部たちそれぞれのエピソードや、チベット高原の開発が進みケサル文化の基盤が解体されていく現実を映し出す。監督は「チベット 天空の英雄 ケサル大王」に続き、数々の紀行番組を手がけてきた大谷寿一。
ストーリー
チベット古代統一王朝・吐蕃崩壊後の11世紀、仏教国の王をモデルにチベット統一と仏教布教を託し創られたと言われている、世界最長の英雄叙事詩『ケサル大王伝』。東チベットの草原の民の理想と願いが込められ戦いと恋に彩られたその物語は、代々語り部たちにより受け継がれ、今でも語り部たちはチベット全土で20名ほどが残る。もともとは文盲である牧童の夢の中にケサルや山神が降りてきてケサル語りを命じ、目が覚めるとおのずと語り出したという神授型の語り部たち。カム語というチベットの方言や古語で語られ、中国語が浸透したチベットの若い人もうには理解ができないといわれている。青海省ジェクンド(玉樹)は2010年に大地震に見舞われてから後、驚くべき変貌を遂げ、ケサル像の地下にケサル博物館をオープン。ケサルを観光客誘致のために売り込み、地元党政府は語り部の個人芸よりも集団で華のある劇や舞踏を重用。チベット高原も中国政府による大規模開発が進み、牧畜民は半ば強制的に町へ下ろされ、ケサル文化の基盤が解体されつつある。環境破壊が進み、ケサルのお告げは降りて来ないと言われるように。大地に根ざした、世界的にももはや稀な語り部文化を見つめる。