中村勘三郎
鰯売猿源氏
歌舞伎の舞台公演を高性能HDカメラで撮影した“シネマ歌舞伎”で、平成21年1月の歌舞伎座さよなら公演で上演された舞台を上映。中村勘三郎の愛嬌溢れる鰯賣猿源氏と、坂東玉三郎演じる謎めいた気品を漂わせる傾城蛍火が織りなす恋模様を綴る。シネマ歌舞伎だけの坂東玉三郎特別インタビュー映像も収録。
鰯賣の猿源氏(中村勘三郎)は、五條橋で見かけた傾城蛍火(坂東玉三郎)に一目惚れ。恋の病を患い、自慢の売り声にも力が入らない。そこで、猿源氏の父・海老名なあみだぶつ(坂東彌十郎)は、猿源氏を大名に仕立て、蛍火のいる揚屋を訪れることを提案。恋焦がれる蛍火を目の前に、夢見心地で盃を交わす猿源氏。だが、酔いつぶれて蛍火の膝の上で寝入り、寝言で“伊勢国に阿漕ヶ浦の猿源氏が鰯買うえい”と自慢の売り声を上げてしまう。それを聞いた蛍火は、猿源氏の正体を問い詰めるが……。
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