


テレビで会えない芸人
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日本国憲法を人間に見立てた『憲法くん』をはじめ、政治や社会問題を鋭く風刺して笑いに昇華する芸人、松元ヒロ。立川談志や永六輔、井上ひさしらに愛された芸人は、なぜテレビを棄てたのか。その生き方と笑いの哲学を見つめ、現代社会を映し出したドキュメンタリー。監督は今日のメディア状況に強い危機感を募らせていた鹿児島テレビの四元良隆と牧祐樹。テレビ放映時に反響を呼び、日本民間放送連盟賞最優秀賞などを受賞。さらに追加撮影と再編集をおこない、「ヤクザと憲法」「さよならテレビ」ほかの〈東海テレビドキュメンタリー劇場〉でローカル局制作ドキュメンタリーを映画化してきた阿武野勝彦がプロデューサーを務めた。
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ストーリー
※結末の記載を含むものもあります。
芸人、松元ヒロ。かつてパントマイムや社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で数々の番組に出演し人気を博した。しかし 90 年代末、彼はテレビを棄て、主戦場を舞台に移す。政治や社会問題をネタに笑いで一言モノ申す。ライブ会場は連日満席、チケットは入手困難。松元が 20 年以上語り続ける『憲法くん』は、日本国憲法を人間に見立てた演目。井上ひさしが大絶賛し、永六輔は「ヒロくん、9条を頼む」と言い遺した。その芸は、あの立川談志をしてこう言わしめた。「最近のテレビはサラリーマン芸人ばかり。本当に言いたいことを言わない。松元ヒロは本当の芸人」。だからこそ、いまテレビで彼の姿を見ることはない。そんな状況に強い危機感を募らせていたのは、松元の故郷、鹿児島のローカルテレビ局。2019 年の春から松元ヒロの芸とその舞台裏にカメラが張りついた。なぜ松元ヒロはテレビから去ったのか? なぜテレビは松元ヒロを手放したのか? そして本作はその答えを見つけられたのか? テレビで会えない芸人の生き方と笑いの哲学から、いまの世の中を覗いてみる。その先に、モノ言えぬ社会の素顔が浮かび上がる。