過激なゴア描写が各国の映画祭で話題を集めたベトナムの新鋭レ・ビン・ザンが贈るホラー。人間狩りにいそしむ医者と人肉中毒のその子、それに対して“食人による復讐”の甘美な味を覚えた犠牲者家族たちが、常軌を逸した”喰い合い”の連鎖を繰り広げる。映画学校の卒業制作として企画されながらも、大学から“残虐すぎる”という理由で却下された結果、レ・ビン・ザンも退学に至り、名匠トラン・アン・ユンの後押しを受けて完成に至ったという逸話が残る。
ストーリー
フライドチキンを食らう男は、座らせていた1人の人物を殺害。狂気と絶望に染まった男は、建物から出た直後、何者かが運転する車にはねられる。時は遡り、あるファストフード店で働く女性が、恋人の運転するバイクで移動中、事故に遭う。彼女たちをはねた救急車に乗っていた白衣の男性は、2人を車内に運び入れると、想像を絶する行為に浸り始める。この時すでに、それぞれの復讐の物語が動き始めていた……。