夜間飛行(1933):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
夜間飛行(1933)
夜間飛行(1933)
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夜間飛行(1933)

1933年公開
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「グランド・ホテル」「晩餐8時」と同じくデイヴィッド・O・セルズニックが再作を主催したオール・スター映画で、原作は1931年度のフェミナ賞をとったアントワーヌ・ド・サン・テグジュぺリ作の小説で、脚色に「暴風の処女」「戦場よさらば」のバオリヴァ・H・P・ギャレットが、監督に「明日の太陽」「散り行く花」のクラレンス・ブラウンが、撮影には同じくオリヴァ・T・マーシュがあたった。直空中撮影は「火の翼」のエルマー・ダイヤーと「空の花嫁」のチャールズ・マーシャルが協力している。主演者は「晩餐八時」「グランド・ホテル」のジョン及びライオネル・バリモア、「舗道の雨」のヘレン・ヘイズ及びロバート・モンゴメリー、「紅塵」のクラーク・ゲーブル、「世界ボクシング王」のマーナ・ローイの6スターで「恐怖の四人」のウィリアム・ガーガン、「スター悩殺」のレスリー・フェントン、「暁の暴風」のC・ヘンリー・ゴードン等が助演。

ストーリー

この物語の主人公は勇猛果敢な幾多の飛行家ではない。彼らをして敢然として死の飛行に就かしめ、幾百万の人間に福祉をもたらすべき夜間郵便飛行の難事業を万難を排して確立せる鉄の意志の一、リヴィエールその人である。彼は己が専務取締役として采配をしきる航空会社における唯一の夜間飛行実現可能論者であり、社長以下総重役の反対論を押し切って遂に南米に於ける最初の夜間飛行なる歴史的事業を遂行したのだ。彼も血あり涙ある人間である。しかし彼は飽くまで「鉄の人」を装う必要があった。なぜなら1滴の彼の涙は全組織の力を弱めることを彼は知っていたからである。会社創立以来従業せる名技師をただ1回の過失の故をもって解職する峻厳な彼の態度。数分の遅刻のために罪なき飛行家に数百弗の罰金を課するほとんど不人情と思われる彼の性格の半面にはその峻厳な行為に対して自分自身を責める熱烈な人間的良心と責任感とがあったのだ。夜間郵便飛行開始の第1夜に於て既に悲劇は突発した。パタゴニアから飛来するフェヴィアン機が暗と暴風のために進路を失い燃料は尽きてただ死を待つかぎりであるという報を無電で受け取った彼は顔面神経1つ動かさなかった。フェビアンの妻が良人の死を聞いて駆せつけたときも彼は平然として彼女に悔やみの言葉をかけたに過ぎない。会社は1個の名飛行士を失った。しかしこの夜間飛行開始のために彼の知らぬ幾多の貴重な人名が救われたということを彼は確信していたからである。「鉄の人」リヴィエールはかくて「より大き人命」のために心を鬼として自然を征服する人類の戦士の1員として、偉大なる戦いを戦い、それに打ち勝ったことに成功したのである。

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作品データ

原題
Night Flight
製作年
1933年
製作国
アメリカ
初公開日
1933年
製作会社
M・G・M映画


[c]キネマ旬報社