シドニー・ポワチエ
Lieuten_Virgil_Tibbs
何十年も取り組みながら、根絶することのできない麻薬組織に斬り込んでいくサンフランシスコ警察の腕きき警部バージル・ティッブスの活躍を描く。「夜の大捜査線」シリーズ第3作。製作はウォルター・ミリッシュ、監督は「さらば荒野」のドン・メドフォード、脚本はジェームズ・R・ウェッブ、撮影はジョセフ・ビロック、音楽はジル・メレが各々担当。出演はシドニー・ポワチエ、バーバラ・マクネア、ジェラルド・S・オルーリン、シェリー・ノース、フレッド・ビア、アレン・ガーフィールドなど。
サンフランシスコ、午前2時。4メートルの高い塀をめぐらした7階建てのセンチュリー家具会社周辺の道路は閉鎖され、同時にクレーン車からはしごがのびた。車から飛びだした覆面の1人が棒高飛びで正門を飛び越え、夜警を殴り倒して縛り上げた。残る2人の覆面男は、猿ぐつわをかました男をかついで、窓を破って侵入した。そして、猿ぐつわの男をしめあげ、金庫室を開けさせて中から大量のへロインを運びだした。へロインを運び終わると猿ぐつわの男は唯一人椅子に縛りつけられたまま事務所に取り残された。やがて、一味が引き揚げるとき正門に仕掛けた時限爆弾が爆発し、パトロールカーが現場に到着した。夜警は気を失っており、5階の事務所には支配人ジョン・ビショップの射殺死体が発見された。サンフランシスコ警察の腕きき警部バージル・ティッブス(シドニー・ポワチエ)の捜査はたちまちいきづまった。ある夜ティッブスの許に、この事件に関しての情報を提供するとの電話があった。その指定の場所には、顔見知りの、ファン、牧師デイブ・トーマス(ビリー・グリーン・ブッシュ)、日本娘のアニー・セキド(レニー・宮崎)、ステーシー(ジェームズ・A・ワトソン・ジュニア)、チャリー(デモンド・ウィルソン)、ジョー(ロン・オニール)の6人が待っていた。彼らは自分も含めて、一家を全て麻薬によって破滅させられ、麻薬に憎悪を抱いている面々だった。麻薬組織に対する警察の手ぬるさに業を煮やし、自ら自警団と称して組織壊滅に乗りだした、という。彼らは、センチュリー家具会社が麻薬の集散所であることをつきとめ、支配人ビショップを自宅から拉致して事務所へ連れてくると、彼を脅かして、金庫室から400万ドル相当のヘロインを奪い、さらに警察の注意をひくために、ビショップを椅子に縛り、金庫も開けておいたと告白した。ティッブスは彼らを信じたが、組織は手段を選ばずヘロインを取り戻そうとするだろう。もし組織が自警団の正体を知ったら彼らの生命はない。ティッブスは手をひくよう忠告したが、彼らの決意は固かった。ティッブスは遂にその熱意に動かされ、上司には内密で手を組むことにした。警察内部にも組織の情報網ははりめぐらされているはずだ。彼らの安全を守るために、このことは彼の胸1つに納めておかなければならなかった。一方、検死の結果、ビショップは2つの異なった拳銃で撃たれていたと判明した。やがてモーガン、セキド、ジョーが組織のために殺された。警察は色めきたった。ティッブスの行動は辻つまが合わない。情報隠匿か、汚職か。頑強に事情説明を拒む彼は、停職処分を受けた。もはや一刻の猶予もない。ティッブスはへロインを渡す手配をした。組織は活動を開始した。約束場所のターク街広場で、へロインを奪った組織の手先を地下鉄工事現場に追いつめ、地上では組織上層と目される人物の動きを看視させた。こうして麻薬組織のトップ2人が逮捕された。しかし、警察の門を入ろうとしたとき銃声が響きわたり、逮捕された2人が射殺された。警察を取りまく高層ビルの窓々をティッブスは睨み上げたが、そこには人影はなかった。
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