グレゴリー・ペック
Joe_Bradley
「偽りの花園」「黄昏(1951)」のウィリアム・ワイラーがローマに出向いて製作監督した1953年作品で、王女と新聞記者の恋愛を描くコメディ。初公開時のクレジットでは、原作はアイアン・マクラレン・ハンター、脚色は原作者と「死せる恋人に捧ぐる悲歌」のジョン・ダイトンとの共同となっていたが、後年、原案・共同脚本をダルトン・トランボが担当したと明らかにされた(「製作50周年記念デジタル・ニューマスター版」のデータを参照)。「ギャングを狙う男」のフランク・プレイナーと「禁断の木の実」のアンリ・アルカンが協力して撮影監督にあたり、「アンリエットの巴里祭」のジョルジュ・オーリックが音楽を担当した。主演は「愛の決断」のグレゴリー・ペックと、初主演のこの映画でアカデミー主演女優賞をえたオードリー・ヘプバーンで、これに「黄昏(1951)」のエディ・アルバートがつきあい、以下ハートリー・パワー、ハーコート・ウィリアムス「36時間」、マーガレット・ローリングス、チュリオ・カルミナチ「悪魔の美しさ」、パオロ・カルリーニなど英伊の俳優が助演している。なお、「貴方は若すぎる」の監督ピエロ・ムゼッタが助監督としてスタッフに加っている。
※結末の記載を含むものもあります。
ヨーロッパの各国を親善旅行中のある小国の王女アン(オードリー・ヘプバーン)がローマを訪れたとき、重なる固苦しい日程で王女は少々神経衰弱気味だった。侍医は王女に鎮静剤を飲ませたが、疲労のためかえって目が冴えて眠れなくなって、侍従がいないのをよいことに王女はひとりで街へ出て見る気になった。が、街を歩いているうちに薬がきいてきて広場のベンチで寝こんでしまった。そこへ通りかかったアメリカの新聞記者ジョー・ブラドリー(グレゴリー・ペック)は、彼女を王女とは知らず、助けおこして自分のアパートへ連れ帰った。翌朝、彼女が王女であることを知ったジョーは、これこそ特ダネ記事をものにするチャンスと思い、ローマ見物の案内役をひきうけた。アン王女はジョーの魂胆も知らず、まず床屋で髪を短く切らせ、1日中のびのびと遊び歩いた。ジョーの同僚のカメラマン、アーヴィングは、隠しもった小型カメラでぬけ目なく王女の行動をスナップした。一方、王女失踪で大使館は上を下への大騒ぎ、しかし、世間に公表するわけにも行かず、本国から秘密探偵をよびよせて捜査に当らせた。夜になってアン王女が遊覧船の上でジョーとダンスを楽しんでいるところへ秘密探偵が現れ、ジョーとの間に時ならぬ争いが起った。ジョーとアン王女は河にとびこんで追手の眼を逃れることができたが、その間に、2人の胸には深い恋ごころが起っていた。河べりの闇の中で、2人は熱い接吻をかわした。だが、この恋はとうてい望みがない、ジョーはアン王女を大使館に送りとどけ、特ダネ用のメモをこなごなに引きさいた。数日後、アン王女の新聞記者会見が大使館で行われたとき、アーヴィングはあのとき撮影したフィルムをそっと王女に渡した。そして、ジョーとアン王女とは、目と目を見合わせ、無言の別れを告げあったのであった。
Joe_Bradley
Princess_Anne
Irving_Radovitch
Mr.Hennessy
Ambassador
Countess_Vereberg
General_Provno
Major_Delani(The Baker)
Giovanni
Charwoman
Taxicab_Driver
Hennessy's_Secretary
Shoe_Seller
製作、監督
脚本、原案
脚本
撮影
撮影
作詞
美術
美術
編集
録音
衣装
脚本
[c]キネマ旬報社
子供のころ一度観てると思うんですが、WOWOWのアカデミー賞特集で放送されていたので再見。いやー楽しかった。古い作品なのに古めかしくない。それでいて古き良き懐かしさも感じられる。大いに笑い、大いにハラハラ、最後はほろり。60年以上前の作品と思えません。 その前にやはりWOWOWで再見した『カサブランカ』は、本作から8年前の公開とはいえ、いかにも古いなあという感じがしたのです。王女さまと新聞記者のロマンス物語は、当時の感じではかなり新しく鮮烈だったのかもしれない。現実のこととして考えたらツッコミどころ満載だけど、まあ、ファンタジーだから(笑)。 それにしてもグレゴリー・ペックかっこよ……と思って調べたら、なんと身長190cm! さらにオードリーは170cm! 絵になるわけだわ……令和の日本でも存分に浸れるラブストーリー。お若いかたも是非。
中学生くらいの頃でしょうか、知り合いにVHSのテープにダビングしてもらい何度も見ました。私が映画好きになったきっかけのような作品です。 作られてから半世紀をとうに過ぎたのにまだ何度でも見たいと思える最高の一本です。
「王女が帰らなければならない時間」が迫ってくるにつれ若き日には流れなかった涙があとからあとからわいてきて困りました。 幼い日に母のお供で見せられた時に一番記憶に残ったのは、王女の記者会見の、通り一遍の「どこの土地にもその良さが・・・」と始めておきながら「ローマ」と言い切ってしまうところ。 今日久しぶりに見ましたが、無駄なシーンやショットが一切無いと気づいてびっくりしました。それと同時にちゃんと通して見たのは母と見た1回きりなのに細部までよく覚えていることにもびっくりしました。 こういうことも名画の条件なのでしょうね。