主演は『名探偵ピカチュウ』のあの子!話題のミステリードラマ「ザ・ソサエティ」にハマる人が続出なワケ
2019年に配信開始され、“展開から目が離せなくなる!”と話題を呼んだNetflixオリジナルドラマ「ザ・ソサエティ」(配信中)。大人が消え去り、ティーンたちだけでの集団生活を余儀なくされた少年少女たちのミステリー作品だ。すでにシーズン2も決定しているなど(2020年配信予定)、今後の動向にますます注目が集まる本作の見どころをまとめてみたい。
1954年に出版されたウィリアム・ゴールディングの小説「蠅の王」をベースに、『(500)日のサマー』(09)や「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのマーク・ウェブが製作総指揮とシリーズ演出を務めている本作。物語の舞台は、アメリカのコチネカット州、ウェストハムにある富裕層が暮らす町。町は悪臭に悩まされており、それを取り除く作業の間、16歳以上の高校生たちがキャンプへ連れ出される。しかし、悪天候で道が塞がれ、キャンプは中止に。引き返す彼らを待っていたのは、親や兄弟をはじめ、住人が一人残らず消えてしまった町の姿だった…。
『名探偵ピカチュウ』のあの子も!フレッシュなキャストが勢ぞろい
大人たちが消え去り、自分たちだけで生活しなくてはならなくなった生徒たち。その主要メンバーとなるのが、主人公で優秀な姉に劣等感を抱いているアリーと、その姉で生徒会長を務めリーダーシップもあるが、一部の生徒から煙たがられているカサンドラ。町で唯一の孤児で里親をたらい回しにされてきたウィル、彼が好意を寄せるケリー、ケリーのボーイフレンドで豪邸に暮らすハリー。このほか、アリーとカサンドラの従兄弟で、聴覚障害を持つサム、彼の兄でピストルを所持するなど問題行動が多いキャンベル、脳筋ばかりのアメフト部員だが、インテリな一面を持つグリズといった個性的な面々が登場する。
ティーンエイジャーばかりということで、キャスト陣の顔ぶれもフレッシュ。アリー役のキャスリン・ニュートン。『名探偵ピカチュウ』(19)で謎の事件を追う新米記者のルーシー役を好演している。また、カサンドラを演じているのは、「X-MEN」シリーズから派生したテレビドラマ「レギオン」でシドニー・"シド"・バレットを演じたレイチェル・ケラー。ほかにも俳優はこれからの活躍に期待がかかる若手ばかり。キャラクターも魅力的なので、青田買い的な視点でもおすすめなのだ。
「LOST」にも通じるミステリアスな世界観
住居や学校、教会、スーパーマーケットまでそのまま放置されている町の風景。電気や水道は使えるが、携帯は電波を受信しているものの、生徒同士でしか通話やメールができず、もちろんインターネットも機能していない。また、町の周囲は深い森に覆われており、抜け出すこともできそうにない。ところが、どういうわけかあれだけ漂っていた悪臭は、すっかりなくなっている…。
どうして大人たちは消えてしまったのか?悪臭との関係は?何かの実験?異世界や別の惑星へ連れてこられたのか?様々な憶測が飛び交う中で物語は進行し、次の展開が気になってしょうがなくなってしまう。特異な状況下でサバイバルを繰り広げるという点は、社会現象を巻き起こしたドラマ「LOST」シリーズに通じるところも。
特異な状況下で壊れていくモラル…
第2話では“逃亡者ゲーム”というゲームが登場する。参加者は“警察”と“逃亡者”に分かれ、町内を舞台に警察が逃亡者を追いかけまわすのだ。自然な流れで、警察側には学内ヒエラルキーの高そうな生徒が、逃亡者にはそうでない生徒が振り分けられていく。ゲームとはいえ、奇声を上げながら車で追い立て、アメフト部の生徒が強烈なタックルをかますなど、しだいにモラルが失われていく様子を感じさせられる。
案の定、停電になった際に電気店の懐中電灯を求めて大乱闘が巻き起こってしまう。しかし、これをきっかけに子どもたちでルールを作り、それに則って社会性を保とうする動きが起き始めるのだ。食事は配給制にし、住居も共有、各自には警備や給仕、清掃など様々な“仕事”が割り振られる。ところが、この新しいシステムになじめない生徒も。それまでのなに不自由ない暮らしが一変し、仕事への苛立ちや、同級生とのシェア生活などへの不満が募っていく。
年齢的にも大人と子どもの中間に位置する登場人物たち。秩序を守ろうとするも、要所で未熟さが垣間見えところもリアルで、思わずハラハラさせられる。シチュエーションスリラー的な要素もあり、「ソウ」シリーズや『es[エス]』(01)といった作品が好きな人にもハマりそう。
観ればシーズン2が待ち遠しくなること必至。まだ未見という人は、この機会にぜひチェックしてみてほしい!
文/トライワークス