真木よう子、パク・チャヌク監督に「好みの女優」と言われて感激
「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得したサラ・ウォーターズの「荊の城」を、『オールド・ボーイ』(03)のパク・チャヌク監督が映画化した『お嬢さん』(3月3日公開)のジャパンプレミアが2月8日にアキバシアターで開催。来日したパク・チャヌク監督に花束を渡した真木よう子は映画について「圧倒的!圧巻でした」と手放しで絶賛した。
『お嬢さん』は2016年のカンヌ国際映画祭で、韓国人初の芸術貢献賞(美術のリュ・ソンヒ)を受賞した話題作。1939年、日本統治下の朝鮮半島を舞台に、孤児の少女・スッキ(キム・テリ)、莫大な財産の相続権を持つ美しい令嬢・秀子(キム・ミニ)、秀子の財産を狙う詐欺師(ハ・ジョンウ)の騙し合いと復讐を描く官能的なサスペンスだ。
パク・チャヌク監督は「私が自分なりに解釈した日本文化を映画のなかで表現してみました。韓国の俳優さんが死ぬ気で長い時間をかけて日本語の長い台詞を練習しました。日本のみなさんが見たらかなり中途半端に思えるかもしれないけど、いくらぎこちなくても、一生懸命努力して頑張ったんだなと、どうか大目に見ていただきたい」と訴えた。
真木は「私も観る前は少しそのことを危惧していたんですが、全く問題なかったです」と映画を称える。「もちろんすごく練習されてイントネーションが素晴らしかったし、パーフェクトではない部分もありましたが、作品が圧倒的に超えている。全然気にならなかったです。すべての俳優さんが素晴らしい」。
さらに「こういう官能的な映画を日本で作ると、官能的な部分をもっと掘り下げてしまって、女性が観るのに引いてしまうけど、パク監督が撮ったことで絶妙なバランスの映画となっています。女性でも抵抗なく観れるし、驚きと衝撃の連続でした」と興奮しながらコメント。
パク・チャヌク監督はそれを受けて大喜びだ。「日本人で素晴らしい女優である真木さんがそんなふうにおっしゃってくれて本当にうれしいです。いままで聞いたなかで一番感動的で、やっと落ち着けます。日本のみなさんがどう観てくださるかが気になっていたので」。
また、パク・チャヌク監督は女優をキャスティングする際のポイントをこう述べた。「どんな映画でどんな役なのか、それに合う女優さんをキャスティングするのがどの監督さんにとっても目標かと。でも好みも入ってくる。僕は頭が良い賢明な女性で、しっかりしていて自分の考えをためらわずに表現できる女優さんが好きです」。
MCが「真木さんがぴったりでは?」と振ると、真木は「違うって言えないじゃん」と苦笑い。パク・チャヌク監督が「真木さんは私の好みに合ったタイプの女優さん。私はただ従順でおとなしい女性は好きではないので」と言うと、真木は「じゃあぴったりです」と笑顔を見せ「アジアの女性も自分の意見をもっと主張していいと思うし、(劇中の)女性同士の絆は見ていてうれしいし、感動しました」と2人のヒロインの絆を称えた。【取材・文/山崎伸子】