湯浅政明の短編も無料公開!東京国際映画祭も参加するデジタル映画祭、プログラムが発表
5月29日(金)から10日間開催されるデジタル映画祭「We Are One: A Global Film Festival」。カンヌやベルリン、ヴェネチアに加え、東京国際映画祭(TIFF)など世界21の映画祭が参加する本映画祭のプログラムが発表された。
これまでにない試みとなる同映画祭は、ロバート・デ・ニーロとプロデューサーのジェーン・ローゼンタールが創設した映画製作会社「トライベッカ・エンタープライズ」とYouTubeが共同で開催。YouTube.com/WeAreOneのプラットフォーム上にて、世界35か国から集まった100を超える映画作品に加え、トークやVRコンテンツ、音楽パフォーマンスなどのプログラムが無料公開される。視聴者は様々な異なる文化に触れ、新型コロナウイルスで苦しむ人々を支援する団体への寄付を行うこともでき、同映画祭での収益は、世界保健機関(WHO)などコロナ感染に対処する各地域の機関に役立てられる。
東京国際映画祭からは、過去に特集上映も行われた湯浅政明監督の短編アニメーション『夢見るキカイ』(07)が出品されるほか、『いなべ』(13)や『ジェファーソンの東』(18)、『ヤルタ会談オンライン』(20)など、深田晃司監督特集として短編や中編3本が公開。さらに、松岡茉優の映画初主演作『勝手にふるえてろ』(18)や、74分ワンカットで描く意欲作『アイスと雨音』(18)といった長編もラインナップされており、東京国際映画祭にゆかりのある監督の作品や、世界中の観客に訴えられる力を持った作品が選ばれた形だ。
このほか、「We Are One: A Global Film Festival」で公開される作品としては、伝説的な写真家のリッキー・パウエルについて、ナターシャ・リオンやLL・クール・Jのインタビューを交えながら考察するドキュメンタリー『Ricky Powell: The Individualist』、ムンバイ映画祭のGolden Gate Awardを受賞した『Eeb Allay Ooo!』、中国の伝説的なバレーボールスター選手、ジェニー・ラン・ピンのドキュメンタリー長編『Iron Hammer』に注目が集まっている。
また、過去の映画祭のアーカイブ15本に、本映画祭限定の4本を加えたトークショーも予定されており、フランシス・フォード・コッポラやスティーブン・ソダーバーグ、ソン・ガンホにポン・ジュノ、ギレルモ・デル・トロらが登場。さらに、VR作品の上映やDJによる音楽パフォーマンスなど、盛りだくさんの内容となっている。
おうちにいながら参加できるこのデジタル映画祭で、世界各国の作品を鑑賞し、映画文化のつながりを実感してはいかがだろうか。
文/トライワークス