クライマックスへ急加速!「太陽は動かない-THE ECLIPSE-」第5話で“最強の刺客”が大暴れ
21日に放送されたWOWOW 連続ドラマW「太陽は動かない -THE ECLIPSE-」はEpisode5で“第三の勢力”の存在が浮き彫りとなり、Final Episodeに向けて一気に急加速を見せることに。カジノ利権のために都市博を湾岸部で開催しようとする中尊寺(石橋蓮司)が企てた“西東京案妨害計画”。その妨害の実行犯であり、すべての証拠でもあるフクモトこと桜井(安藤政信)が鷹野(藤原竜也)の目の前で謎の勢力に拉致されてしまう。
監視カメラの映像をもとに桜井の居場所を追い始めた鷹野は、拉致に使われた車が横浜で乗り捨てられているのを発見。そして地元の裏勢力に乗り込み、裏でアメリカ軍が糸を引いていることを知る。アメリカ側を動かしたのは中尊寺の失脚をもくろむ桐野(柿澤勇人)で、彼は中尊寺から飼い殺し状態にされた永島(吉田鋼太郎)と手を組んでいたのだ。彼らによって今度は“湾岸案”を潰すための新たな爆破が計画されるなか、桜井を追う中国の裏組織が雇った刺客チーヨウ(松本実)が日本にやってくることに。
「牙を研いで待つんだ。その時が来るまで待て」という元総理だった父の教えに従い、中尊寺失脚のために同じ理想を持つ永島と組んだ桐野。いまが“その時”だと踏んだ彼らは中国側や中尊寺を牽制し、カジノの建設予定地を西東京案でも湾岸案でもない、横浜の在日米軍補給基地の返還跡地に誘致しようと画策するのだ。完全に包囲網を張られた中尊寺は、唯一の味方であるAN通信の風間(佐藤浩市)に阻止を依頼。中尊寺vs永島・桐野の権力争いのゆくえ、そして鷹野と桜井との関係に刺客のチーヨウがどのように絡んでくるか。それらが最終回のカギとなるのだろうか。
刺客のチーヨウの登場によって、本作のアクション要素がより一段と盛り上がっていく。どこからともなく大量の武器を取りだすコミカルさもありつつ、裏組織に潜入するシーンでのPOV演出での臨場感。そしてリュック・ベッソンの『レオン』(94)を想起させる逆さ吊りでの銃撃。このチーヨウを演じる松本実という俳優は、桐朋学園大学の演劇専攻出身で蜷川幸雄の教え子とのことだ。つまり蜷川演出の「身毒丸」でデビューした藤原と同じ師を持つ俳優であり、しかもアジア圏にも進出した経歴は安藤と重なる。この3人の三つ巴は、かなり見応えのあるものとなるに違いない。
次回はいよいよFinal Episode。予告映像では桜井が仕掛けたものであろう爆弾と対峙する鷹野の姿と、なぜ桜井が陰謀うずまく世界に戻ってきたのかという理由が明らかになりそうな予感が。風間が鷹野に指示した「計画の証拠をすべて抹消しろ」という言葉は「桜井を殺せ」という意味にほかならない。どんな決着が待ち受けているのか、最後まで目が離せない。「太陽は動かない -THE ECLIPSE-」Final Episodeは6月28日(日)に放送される。
文/久保田 和馬