“アストラル・スパイ”に“回文”…『TENET テネット』の真意を都市ボーイズが大胆予想!
「ダークナイト」三部作や『インセプション』(10)、『ダンケルク』(17)など、常に斬新なアイデアと圧倒的な映像表現で世界を驚かせてきたクリストファー・ノーラン監督。最新作『TENET テネット』(9月18日公開)の予告編がお披露目となるや、主人公に投げかけられる「死後の世界へようこそ」という言葉や逆走する船など、謎めいた映像のオンパレードで、世界中の映画ファンを興奮に誘っている。
MOVIE WALKER PRESSでは、「WHAT IS TENET?」をテーマに、識者たちが本作の展開を大胆予想!今回は、都市伝説やオカルトにまつわるトークを様々なメディアで配信している若手放送作家コンビ「都市ボーイズ」の岸本誠と早瀬康広が登場してくれた。都市伝説好きの観点から自由に妄想を繰り広げてもらうと、タイトルの“TENET”を暗号に見立てた驚くべき解釈、さらには「アストラル・スパイを描くのでは?」とワクワクするようなキーワードがたくさん飛びだした。
本作は『インターステラー』(14)以来となる、ノーラン監督のオリジナル脚本によって展開するタイム・サスペンス。いまだ映画の全貌はベールに包まれているが、予告編の中では、ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる主人公が謎の男に気絶させられてしまう。ベッドで目を覚ました主人公は、見知らぬ男から「テストは合格。君は特別だ。死後の世界へようこそ」という意味深な言葉を投げかけられ、次の場面では白衣を着た女性から「第三次世界大戦を防ぐのよ」と任務内容を聞くなど、壮大な展開を予想させる。
「“ジョージア・ガイドストーン”の予言と重なりそう」(早瀬)
予告編を観た早瀬がまず気になったのが、「第三次世界大戦を防ぐのよ」というセリフで、アメリカのジョージア州に立つ不思議な石碑、“ジョージア・ガイドストーン”を思いだしたという。
「ある女性が『第三次世界大戦を防ぐのよ』と言うと、主人公が『人類滅亡?』と尋ね、女性は『いいえ、もっと悲惨』と答えますよね。そのやり取りを見て、僕は『ジョージア・ガイドストーンと重なるな』と思いました。“ジョージア・ガイドストーン”は、1980年に突然現れた石碑で、誰がなんの目的で建てたのかいまだ謎なんですが、オカルト好きの間では『第三次世界大戦が起きてしまった後の話を刻んでいる』とか、『第三次世界大戦を防ぐための案内なのではないか?』とも言われています」と切りだし、「石碑には“10の案内”が書かれていて、そのなかでも興味深いのが、『大自然と永遠に共存し、人類は5億人以下を維持する』という案内。いま約80億人ほどいる人類が、5億人以下になるというんです」と不穏なガイドについて言及。「予告編を観ても、いまの世界情勢に向けて、監督が強いメッセージを打ちだしているのではないかという気がしました」と推測する。
「アストラル・スパイを描くのでは?」(岸本)
一方の岸本は「死後の世界へようこそ」というセリフに注目し、「アストラル界のスパイ」という謎めいたワードを口にした。アストラル界とは、肉体を離れた魂が向かう精神世界のこと。「予告編を観て、スパイもののような雰囲気を感じましたが、“死後の世界”という概念の物語だとすると、幽体離脱したスパイが描かれるのではないかと思います。肉体から魂が離れることを幽体離脱と言いますが、いまセレブの間で、幽体離脱、欧米では“アストラル・プロジェクション”と言われるものが流行っているという話があります。この世の楽しみをいろいろとし尽くしてしまったセレブたちが、幽体になって自由を思い切り楽しもうとしているらしいんです」と説明。
「アメリカの国家機密のなかには、『冷戦時代に、ソ連が幽体離脱スパイを使っていたのではないか。幽体が機密文書を盗んでいたのでは』という話があるとも言われています。なので本作でも、現実の世界とは違う次元のスパイ活動、アストラル界のスパイが描かれるのかもしれません」と想像し、早瀬も「現実世界だと誰かに監視されてしまうので、すでに世界の偉い方々は幽体で会議をしているなんていう噂もありますよ」とニヤリ。
さらに岸本いわく、「これまでは『幽体になるには修行が必要だ』と言われていたんですが、テクノロジーの発展によって、幽体になるための装置ができるという説もある」そうで、「本作の予告でも、主人公が薬を飲まされるシーンがあったので、もしかしたらあの薬が幽体になるための鍵なのかも?」と語る。