是枝裕和監督が惚れ込んだ新鋭が紡ぐ、仲野太賀&吉岡里帆出演作が国際映画祭に出品!
是枝裕和監督が率いる映像制作者集団“分福”に所属する佐藤快磨監督の劇場映画デビュー作『泣く子はいねぇが』(11月20日公開)が、第68回サン・セバスティアン国際映画祭オフィシャルコンペティション部門に正式出品されることがわかった。
本作は、『ガンバレとかうるせぇ』(14)で釜山国際映画祭など国内外の数多くの映画祭で評価された佐藤監督が、完全オリジナル脚本で挑んだ作品。青春の終わりをテーマに、迷いながら大人になっていく20代の若者たちの姿を描いた青春グラフィティだ。主人公のたすくを若手注目株の仲野太賀が、たすくの妻ことねをCMや映画で大活躍の吉岡里帆が演じるほか、寛一郎や山中崇、余貴美子、柳葉敏郎といった実力派俳優が脇を固めている。
秋田県の男鹿半島に暮らすたすくは娘が生まれても父親の自覚を持てず、妻ことねはそんな夫にいらだちを募らせていた。ある大晦日の夜、地元の伝統行事「ナマハゲ」の最中に全力疾走する全裸のナマハゲが、ニュース番組を通して全国に放送されるという事件が起こる。その正体は、妻との約束を守れずに泥酔しきったたすくだった。妻に愛想を尽かされ、地元にもいられず東京へ逃げてきたたすくは、生きる道や居場所を探しさまようが…。
出品決定を受け佐藤監督は「うれしさと興奮と緊張とが入り混じっています。映画祭関係者の皆様が、若者の青春の終わりを描いたこの小さな物語を選んでいただいたことに、感謝の気持ちでいっぱいです」と、喜びのコメントを寄せている。
男鹿半島で伝承される神様「ナマハゲ」を通して、大人になりきれず社会にもなじめない主人公が、青年から少しずつ成長していく姿が描かれる本作。是枝監督もその才能に惚れ込んだという平成生まれの新鋭が、歴史ある国際映画祭でワールドデビューを飾り、どんな未来を歩むのか要注目だ。