賀来賢人×伊藤健太郎「『今日から俺は!!』メンバーは家族!」セルフポートレートインタビュー<前編>
「京ちゃんとのデレデレシーンは、脚本を何回読んでも理解できない(笑)」(伊藤)
――久しぶりの福田雄一監督の演出はいかがでしたか?
賀来「そこは変わらずでしたね(笑)。コメディ部分とシリアスなシーンとの切り替えが早い。僕と健太郎は福田さんのことをよく“中二病監督”って言ってるんですが(笑)、劇場版では男子やちびっ子がワクワクするシーンやセリフ運びがさらに盛りだくさん。“正義が勝つ!”というテーマの中でそれが連続するから、ドラマ版と同じぐらい期待してもらえると嬉しいです」
伊藤「劇場版にはカオスなシーンもありますね。伊藤と京ちゃんがあのテンションでウワ~と盛り上がっていて、三橋と理子ぴん(清野)も勝手にしゃべっている。全員が言いたいことをバーってしゃべって、それで終わっちゃうんです(笑)」
賀来「オープニングもそうじゃん(笑)」
伊藤「そうだ!だからみんな、自分のことでいっぱいいっぱいになっているんですけど、はたから見たらなにやってるんだ、コイツら?みたいな感じになっていて。あの撮影はすごく印象に残っています」
――伊藤と京ちゃんのデレデレシーンもパワーアップしていますか?
伊藤「ドラマ版よりバカっぽくなりましたね(笑)」
賀来「バカだったね~(笑)」
伊藤「でも、福田さんは“ドラマ版を撮っている時は、伊藤と京子がデレデレするシーンがここまでちびっ子に人気なるとは思っていなかった”と言われていて。だから劇場版ではよりバカっぽくしたと思うんですけど、それをパワーアップと言っていいのかはわからない(笑)」
賀来「ふたりのやりとりは意味もわからないしね(笑)」
伊藤「そうそう。脚本を何回読んでも理解できないんですよ。でも、途中で理解できなくていいやと思って(笑)。理解せずに、勢いだけでやったほうがおもしろくなるような気がしましたから」
「みんな福田監督のことが好きで、自然に人が集まるんです」(賀来)
――劇場版には敵対する高校の番長・柳役で柳楽優弥さん、その相棒・大嶽役で栄信さんが新たに参加されていますが、お2人との共演はいかがでしたか?
賀来「柳楽さんとガッツリお芝居をするのは初めてだったんですけど、ただならぬオーラを醸し出していて。同い年とは思えない彼ならではのパワーと目力で、本当にすばらしいラスボスを演じてくれたと思います」
伊藤「僕は栄信さんとのアクションシーンがけっこう多かったんですけど、めちゃくちゃデカいし、アクションがマジものなんです(笑)。琉球空手でしたっけ?」
賀来「そうそう」
伊藤「だから、怖いんですよ」
賀来「あれは本当に怖い」
伊藤「だから、“きっと死ぬんだろうな~”と思いながらやっていたんですけど(笑)。“ここは当てちゃいましょう”とアクション監督の言葉を受けて、テンションの上がっている僕も“ウソっぽくなるといけないから来ちゃってください”と答えたら、すごいパンチがバーンってお腹に入って。あの時は、本当に息ができなくなりました(笑)」
賀来「そんなにエグいんだ?」
伊藤「エグかったですよ!」
賀来「でも、力を抜いてくれているんだよね?」
伊藤「抜いているらしいんですけど、お腹に当てた状態で止めるという画を撮らなければいけなかったし、栄信さんは『僕が習ってきたのは内臓を破壊するパンチ』って言っていたから、パッドをつけていても意味ないやと思って(笑)。なにを信じたらいいのかよくわからなかったけれど、内臓が破裂するんじゃないかと思ってビクビクしてました」
――福田監督の現場はいつもレギュラー陣とゲスト俳優がすぐに仲良くなるから不思議です。
賀来「みんな福田さんのことが好きだから、福田さんのところに自然に集まるんですよね」
伊藤「たしかに!」
賀来「みんな、大好きな福田さんを笑わせたり、喜ばせるために一生懸命やっている。それが福田作品のおもしろさや魅力につながっていると思います!」
<後編に続く>
取材・文/イソガイマサト