こんなスマホは嫌だ!最新AI『ジェクシー』の持ち主への嫉妬心が超絶ヤバい…
「ハングオーバー!」シリーズの脚本家コンビがメガホンをとったコメディ『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』(公開中)。スマホ依存症の青年が、対話型AI搭載の最新スマホを購入したことから起こる大騒動が描かれる。このスマホのあまりに破天荒な暴走ぶりには、だれもが戦々恐々すること間違いなし?
子どものころからスマホに夢中で、恋人も友だちもゼロのフィル(アダム・ディヴァイン)。Siriが唯一の心の友という寂しい日々を送る彼だったが、ある日、スマホが壊れてしまい新機種に買い替えることにする。フィルが新たに手に入れたスマホには、ライフコーチ機能“ジェクシー”(声:ローズ・バーン)が搭載されていた。
メールにSNS、銀行口座などあらゆる個人情報を把握し、すべてのアプリを操作できるジェクシーは、さえないご主人の人生を向上させるため、早速彼の日常を正そうと鬼のコーチングを開始する。食事はヘルシーなものをデリバリーし、ドライブ中の音楽も勝手に変更、退屈で長い会議中には嘘のスケジュールをお知らせして抜け出させようとする。彼女のお節介に嫌気がさしたフィルは機種を買い替えるも、クラウドを経由して再びアクセスしてきてしまう。
そんなジェクシーの努力が実を結んでか、フィルの生活はしだいに健康的になり、友人もでき、気になる女性ケイト(アレクサンドラ・シップ)とのデートも行うなど、互いにベストパートナーとして認め合っていく。しかし、フィルとケイトが恋人同士になり、彼のスマホ依存症が改善されていくにつれ、ジェクシーの様子が少しずつおかしくなってしまう。フィルの仕事のライバルにケガをさせ、「ベイビーなら離さないで」と甘えてくるなど気に入られようとし、ケイトへの対抗心から「絵文字もグーグルマップもポケモンGOも付いていない女なんてクソよ」と罵倒するなど、ヒステリックな性格へと変貌。嫉妬心の強い元カノのような言動をとるジェクシーに対し、フィルは距離を置き始めるが、それが引き金となり彼女の大暴走がスタートする。
フィルの勤め先の同僚全員に恥ずかしい写真を送りつけて上司の怒りを買い、ケイトを元婚約者と復縁させ、さらに個人資産まで流出させてしまう。耐え切れなくなったフィルは逃走を図るが、街中の電子機器を乗っ取ったジェクシーはあの手この手で彼を追い詰めていくのだった…。
「ピッチ・パーフェクト」シリーズなどで知られる人気コメディアンのアダム・ディヴァインが、ジェクシーに翻弄されるフィルを全力で体現。その滑稽ぶりが楽しい一方で、スマホに依存する人たちへの皮肉も効いた本作。どれだけ優秀でも“こんなスマホは嫌だ!”と思うに違いない。
文/平尾喜浩(トライワークス)