SKIPシティ国際Dシネマ映画祭が初のオンライン上映!注目のラインナップが発表
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020のラインナップ記者発表会が、8月31日にオンラインで開催。今年で17 回目を迎える同映画祭は、新型コロナウイルス感染拡大防止および来場者、関係者の安全確保を第一に考慮し、9月26日(土)~10日4日(日)の9日間、初めてオンライン配信で開催されることが発表された。
映画祭プログラムは例年よりも縮小し、若手映像クリエイターの登竜門として、新たな才能を発掘してきた「コンペティション」部門のみが実施されることに。なお、2020年は海外から805作品、国内からは長編で78作品、短編で286作品の応募があり、応募総数は1169作品となった。今年は106の国と地域から応募があったそうで、作品数とエリアはいずれも過去最多の数字をマークした。そのなかから、海外から10作品、国内からは長編部門が5作品、短編部門9作品がエントリーされた。
本映画祭の土川勉ディレクターは、コロナ禍でのオンライン開催について「現在、世界で行われている映画祭が、開催を中止、延期する事態になり、若きクリエイターたちが作品を発表する機会がどんどん減ってきています。今回は最大限、コロナの影響を受けない発表の場としてオンラインでの開催となりました。毎年来場していただいている皆さんには、温かいご支援をお願いします」と訴えかけた。
今回、作品の募集を開始したのは1月だったということで、コロナウイルス感染症に伴う“コロナ禍”を描いた作品はなかったそうだ。オンライン上映の苦労について「海外の作品で、今回の上映はすべて配信で行うことを伝えたら、断られた作品もありました。今回はご賛同いただいた作品のみの上映となります。ただ、オンライン上映について、反対意見はなかったです。『映画祭を開催してくれてありがとう』というコメントも寄せられました」と明かした。
国際コンペティション部門の審査委員長は、日仏映画では『あん』(15)や『淵に立つ』(16)、などで知られる映画プロデューサーの澤田正道が、審査員は『Red』(20)の三島有紀子監督、ロッテルダム国際映画祭やロカルノ国際映画祭のプログラマーを務めてきたジュリアン・ロス、エドコ・フィルム社、配給セールス部門ディレクターのエスター・ヤンが務める。
国内コンペティション部門の審査委員長は、美術監督の部谷京子が、審査員は『モリのいる場所』(18)の沖田修一監督や、映画配給会社Third Window Films 代表でプロデューサーのアダム・トレルが務める。
なお、チケットの料金は長編映画が1本300円、短編が1本100円、見放題のフリーパスが1480円となった。 長谷川敏行プログラミング・ディレクターはチケットの料金について「現状として、サブスクリプション型配信の金額や、世界でオンライン上映を実施されている映画祭での料金などをいろいろ検討した結果、安価ななかでご覧いただくのが最適かなと思い、こうなりました。できるだけ全作を観ていただきたいということで、見放題プランも設定させていただきました」と答えた。
各賞の授賞式は最終日に開催予定だが、どういった形で開催されるかはまだ決定しておらず、随時発表されていくとのこと。また、長谷川ディレクターによると「せっかくの映画祭なので、監督やキャストと観客をつなぐ機会も、設けられるように頑張りたいと思います」と、オンラインで観客と監督、キャスト陣などが交流できるようにと、様々な準備を進めていることも明かした。
取材・文/山崎伸子