「X-MEN」シリーズ最新作、気になる評価は?北米の映画館は復活へ秒読み

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「X-MEN」シリーズ最新作、気になる評価は?北米の映画館は復活へ秒読み

8月最終週の全米興収ランキング1位を獲得したのは『The New Mutants』!
8月最終週の全米興収ランキング1位を獲得したのは『The New Mutants』!写真:SPLASH/アフロ

ブロックバスター作品がひしめきあうサマーシーズンもひと段落し、映画祭などが催され翌年のアカデミー賞レースに向けた機運が高まるとともに、アメリカ国内ではホラー作品が幅をきかせる。例年であれば、それが8月末から9月にかけての全米Box Officeのお決まりのルーティンではあるが、今年は新型コロナウイルスの影響でいつもとは異なる情勢になっていることは改めて言及するまでもないだろう。

8月最終週の全米興行収入ランキングで1位に輝いたのは、「X-MEN」シリーズの最新作で、「ゲーム・オブ・スローンズ」のメイジー・ウィリアムズや『スプリット』(16)のアニャ・テイラー=ジョイら若手スターが共演する『The New Mutants』。全米2412館で公開され、3日間で703万7017ドルという興行収入は、このような時期だから致し方あるまいとの見方もできる反面、全米の映画館が休業を余儀なくされた3月以来、実に5か月ぶりとなるメジャー作品の大規模公開で大いに注目を集めただけに、少々期待外れだという声もあがっている。

何度も公開延期され、約2年半越しの公開となった『The New Mutants』
何度も公開延期され、約2年半越しの公開となった『The New Mutants』写真:SPLASH/アフロ

『The New Mutants』の撮影が始まったのは2017年の夏。シリーズ初のホラー作品になると話題を博し、2018年4月の公開を予定していたが、2018年に入ってすぐに2019年2月へ公開延期が発表され、さらに2019年8月に再延期。その後、2019年春にディズニーとフォックスが事業統一したことで、一時は劇場公開が見送られて配信作品になると噂されたことも。それ以外にも大規模な再撮影の噂などの紆余曲折を経て、2020年4月へ再々延期となり、新型コロナウイルスの影響で4度目の延期。そしてようやく公開を迎えることとなった。

【写真を見る】なんと29年ぶり!キアヌ・リーヴスの出世作「ビルとテッド」の3作目が公開に
【写真を見る】なんと29年ぶり!キアヌ・リーヴスの出世作「ビルとテッド」の3作目が公開に写真:SPLASH/アフロ

製作上のトラブルに見舞われた作品は往々にして低評価に陥りやすく、アメリカを代表する批評集積サイト「ロッテン・トマト」での『The New Mutants』の批評家からの好意的な評価は33%と散々。また観客からのスコアも53%と伸び悩んでおり、同じ日に公開され批評家と観客ともに80%の好支持を獲得したキアヌ・リーヴス主演の人気コメディシリーズ29年ぶりの最新作『Bill & Ted Face The Music』と明暗が分かれる結果に。ちなみに同作は初日3日間で112万5007ドルを売り上げ、先週1位だったラッセル・クロウ主演の『Unhinged』に次いで3位にランクインを果たしている。

来週はいよいよ『TENET テネット』が!海外ではすでに好発進
来週はいよいよ『TENET テネット』が!海外ではすでに好発進[c] 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

今週末はついにクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』(9月18日日本公開)が全米での公開を迎えた。先んじて公開された世界各国ではすでに上々の滑りだしをみせており、海外興収は初日3日間で5400万ドルを突破。当初の予定よりは数か月後ろ倒しになってしまったが、期待通り『TENET テネット』が全米の映画館復活の糸口となってくれるのか、注目したい。

文/久保田 和馬

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