Netflix、2022年末までに“日本実写オリジナル”15作品以上を配信!「今際の国のアリス」詳細も明らかに
世界最大級のオンラインエンタテインメントサービスNetflixの「日本ローンチ5周年オンライン記者説明会」が7日に行われ、コンテンツ・アクイジション部門のディレクター坂本和隆と、Netflixにて全世界独占配信されるオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」(2020年冬配信)を手掛ける佐藤信介監督がゲストスピーカーとして登場。2022年末までに15以上の日本実写オリジナル作品が配信予定であることが発表され、「これまでにないスケール、世界観、テーマで幅広い作品作りにチャレンジしていく」と、6年目へ向けた新たな決意を語った。
長編映画やドキュメンタリーなど幅広いジャンルの作品を多くの言語で配信しているNetflix。あらゆるインターネット接続デバイスで好きな場所から好きなだけ映画やシリーズを楽しむことができ、現在では190か国以上で1億9300万人以上の有料会員が利用している。
1997年の米国での創業当時はDVD配信サービスを展開し、2007年にストリーミングサービスをスタートさせたNetflix。アジア圏への進出は2015年9月に日本に進出したのが最初となり、今月で5周年を迎えるが、日本発の実写作品のクリエイティブを統括している坂本は「5年前は動画配信サービスの市民権もほとんどないなかで、1チャレンジャーとしてサービスを開始しました」と回顧。「それがいま、定額見放題サービスは大きく拡大し、サービスが増え多様化している。多様な事業者との共存と素晴らしい作品の開発が少しずつ結果として表れてきていると感じる」と現在の状況を分析。国内有料会員は500万人を突破したが、「あらためて身の引き締まる想い。会員の方たちが求めていることを最優先に、またクリエイターに少しでも恩返しができるよう作品作りに向き合っていきたい」と今後の抱負を語った。
さらに「クオリティの高い作品を日本から、日本のクリエイターのみなさまと組んで届けられるように、スタジオ機能の内製化、ローカル化を加速させている」とも語り、2022年末までに日本からの実写オリジナル作品が15作品以上配信予定となっていることも発表。作品の特徴としては“多様性”を重んじているといい、「これまでにないスケール、世界観、テーマで幅広い作品作りにチャレンジしていく」と展望を明かした。
続いて、山崎賢人と土屋太鳳のダブル主演で描くNetflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」を手掛ける佐藤監督が登場。麻生羽呂の同名漫画を壮大なスケールで実写化した本作だが、今回はじめてNetflix作品に携わった佐藤監督は「世界190か国で見ていただけることを年頭において、どういうシチュエーションで見ても楽しめる、“新しいものを見た”という感動を得られるように製作した」と指針とした部分について言及。「作り手としても原点に立ち戻って、本当に楽しめるものってなんだろうと考えながら自由に作れたというのは新鮮だった」と胸の内を明かした。
構想から約3年、撮影も5か月という破格のスケールでの製作となった本作だが、「本当に初めてのことで、それに対する不安は少しあった」と話す佐藤監督。しかし、テレビドラマ「ラッキーセブン」や、撮影期間が5か月あった『GANTZ』(11)の経験から「乗り切れるのではというのが、なんとなくあった」と吐露。また「ほかの監督と一緒に作るという選択肢もあったんですけど、これはドラマでもあるけど一つの映画だと思って作って欲しい、かつトーンを統一して欲しいというリクエストがあったので一人でやろうと思ったんです」とその経緯を振り返った。
さらに完成に向けてこだわったポイントを聞かれると、「映画館ではかからないのですが、映像の画質でいうと本作は4Kで製作している。CGもクオリティの細やかさは2Kより4Kの方が鮮明。音響も劇場と同じ5.1chで対応しています」と話し、また製作における音響チェックでは「ちょっとした音のずれやフォーカスのズレなど、製作の幅もありながら間違った所を潰していくというチェック体制が現場でしかれていてカルチャーショックを受けた。すごい取り組みだなと驚きました」とNetflix作品ならではのエピソードも告白。
8話のオリジナルシリーズとなる「今際の国のアリス」だが、「これだけの規模感でドラマ8話のシリーズを作りきったというのは、ドラマ史上でもなかなかないと思う。見たことのないものが体感できるのではないかと思います」と力強く語った。
※山崎賢人の「崎」は立つ崎が正式表記
取材・文/富塚沙羅